御幣まとい暴れる鬼、もぎ取る群衆…奇習「鬼追い」、接近戦40分! 末吉・熊野神社
曽於市末吉町深川の熊野神社で7日夜、奇習「鬼追い」(県無形民俗文化財)が奉納された。五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を祈る伝統行事。御利益があるとされる御幣(ごへい)を鬼からもぎ取ろうとする群衆と鬼との攻防が参道周辺で繰り広げられた。 【写真】〈関連〉御幣をまとい、鬼堂(右)から躍り出た鬼たち=7日夜、曽於市末吉の熊野神社
午後8時、打ち上げ花火を合図にかねが打ち鳴らされると、鬼堂にこもっていた3匹の鬼が次々に躍り出た。鬼の両側にはそれぞれ樫の棒を手にした守り人が寄り添う。石段を駆け下って近くの仁王像まで走った後、照明が消された神社一帯を暴れ回った。 暗がりから突然現れる鬼と近寄る見物人との接近戦が40分ほど続き、一帯は異様な雰囲気に。この間、実行委員の吉永辰美さん(82)の鹿児島弁による熱のこもった実況もあり、会場を盛り上げた。 初めて見に来たという小林市のシンガーソングライター、大野勇太さん(42)は暴れ回る鬼に驚いた様子。「健康第一に仕事もうまくいってほしい」と新年に願った。
南日本新聞 | 鹿児島