ハスクバーナ「ヴィットピレン401」 2024年型は400ccシングルロードスポーツの資質に感心!!
2024年型でフルモデルチェンジを敢行
さて、ここからはようやく本題で、兄弟車のKTM「390デューク」と歩調を合わる形で、2024年型「ヴィットピレン401」はフルモデルチェンジを敢行しました。最大の注目要素はシャシーで、トレリスフレームとオープンラティス構造のスイングアームは剛性を見直した新作になり、従来型ではメインフレームと同様の素材・構成だったシートレールはアルミ鋳造製に刷新されています。
また、前後ホイールをワイヤースポークからアルミキャストに変更したこと、リアサスペンションやエアボックスを移設した効果でシート高が835から820mmに下がったこと、マフラーのショート化を図ったことなども、2024年型の特徴です。 一方のエンジンに関しては、ストロークを4mm伸ばし(89×60→89×64mm)、排気量を373.2から398.7ccに拡大しているのですが、欧州のA2ライセンスを前提にしたためか、最高出力と最大トルクの上昇は控えめです(従来型の44ps/9000rpm・37Nm7000rpmに対して、2024年型は45ps/8500rpm・39Nm/7000rpm)。 ただしスポーツ指向のライダーにとっては、2種のライディングモード(ストリート/レイン)や後輪の滑りを抑制するトラクションコントロール、バンク角に応じて効き方が変化するコーナリングABSなど、多種多様な電子デバイスの新規採用が歓迎するべき要素になるでしょう(クイックシフターは従来型の機構を継承)。 そんな2024年型「ヴィットピレン401」の価格は、79万9000円(消費税10%込み)です。近年の400ccクラスの中では高い部類なのですが、2023年型から1万円しか上がっていないことを考えると、良心的……と言えなくはありません。
貴重なシングルロードスポーツ
予想以上に洗練されている。それが、新型に対する私(筆者:中村友彦)の第一印象です。逆に言うなら従来型は、ライディングポジションに微妙な違和感があったり、エンジンの低速トルクが物足りなかったり、前後サスペンションの動きが少々ぶっきらぼうだったりと、乗車中に気になる点がいろいろと出てきたのですが、新型はすべての感触や挙動がナチュラルです。この特性なら街乗りやツーリングに普通に使えますし、エントリーユーザーも気軽に乗れるでしょう。