【シャンパン・クーラーにソムリエの意見】ロールス・ロイス・ゴーストがシリーズIIに進化
エンジニアリング
ゴースト・シリーズIIの心臓部には、パワフルで妥協のない、静粛性に優れた6.75L V型12気筒ツインターボ・ガソリン・エンジンと、特徴的な8速ギアボックスが搭載されている。 これは全輪ステアリングと全輪駆動の動力源となり、最大トルクは、アイドリング回転数をわずか600rpm上回る1600rpmで得られるため、1つのギアが途切れなく続く感覚と、ロールス・ロイス特有の「ワフタビリティ」が生まれる。 ゴースト・シリーズIIにおいて、定評のあるプラナー・サスペンション・システムには、フロント・サスペンション・アセンブリの上部に独自のアッパー・ウィッシュボーン・ダンパー・ユニットが組み込まれている。 このユニットは、連続可変の電子制御ショック・アブソーバーやセルフレベリング機構付きの大容量エアストラット・アセンブリと連動し、ロールス・ロイス特有の魔法のじゅうたんのような乗り心地「マジック・カーペット・ライド」をさらに安定的かつエフォートレスに表現。 5リンク式リア・アクスルには、同様のセルフレベリング機構付きの大容量エアサスペンション技術を採用した。 サスペンションとシャシーのシステムは、カメラで前方の道路を読み取り、路面の変化に合わせてサスペンションを可変させるフラッグベアラー・システムによって強化された。 これに加え、GPSデータを利用してカーブの曲率に応じた最適なギアを選択するサテライト・エイデッド・トランスミッションを搭載しており、このようなテクノロジーが一体となって機能し、ゴーストは過酷な悪路を予測して難なく対応し、比類なき静粛性と、卓越したダイナミズムとアジリティを見事に融合させるに至った。
さらなる創造性のためのキャンバス
ゴースト・シリーズIIが象徴する本質的なアジリティとビスポークの可能性を求めつつ、最上級のリア・スイート・スペースを求める顧客のために、ゴースト・エクステンデッド・シリーズIIが用意された。 エレガントなシルエットはそのままに、リア・ドアと開口部を拡張することで、リア・スイート・スペースを170mm拡大している。 ゴースト・エクステンデッド・シリーズIIの最高峰のスタイルを追求する顧客には、プライベート・ジェットのキャビンを想起させるリクライニング式のセレニティ・シートも用意されている。 ゴースト・シリーズIIと同様、シャンパン・クーラーも選択可能だ。 ロールス・ロイスのスペシャリストがマスター・ソムリエに相談したところ、ノン・ヴィンテージのシャンパーニュの最適な提供温度は平均6°、ヴィンテージのシャンパーニュの場合は概ね11°とのこと。このアドバイスを受け、クーラーは6°と11°の2種類の冷却モードで作動する。 こうした数々の改良は、ゴースト・シリーズIIの格別なダイナミクスを損なうことなく実現させ、実際、ゴースト・エクステンデッドを選ばれる顧客は、ほとんど運転手を手配することなく、後部座席スペースを拡張したこのモデルを自ら運転する目的でオーダーしていると彼らは発表している。
AUTOCAR JAPAN(執筆)