職場の人に「やたら好かれる人」がやっている「たった一つ」のこと
10代で起業し、これまで1,500名以上の実業家たちと仕事をしてきた嶋村吉洋氏は、自分を応援してくれるコミュニティを起業前から形成することが、ビジネスを成功に導くのに重要だといいます。それでは、一体どうすれば自分を応援してくれるコミュニティを作ることができるのでしょうか。著書『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(PHP研究所)から詳しく解説します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
徹底した「子犬作戦」が人を動かす
ただ自己アピールをするだけでコミュニティが拡張していく、ということはありません。人から好かれ、推(お)されるようになるための、ひたむきな努力が必要になります。 この点で、古き自己啓発の名著、デール・カーネギーの『人を動かす』(創元社)には、核心的なことが書いてあります。それは次のようなものです。 「友を得る方法を学ぶには、わざわざ本書を読むまでもなく、世の中でいちばん優れたその道の達人のやり方を学べば良いわけだ。その達人とは……われわれは毎日路傍でその達人に出合っている」 ようするにその達人とは……子犬なのです。「何の働きもせずに生きていける動物は、犬だけだ」「犬はただ愛情を人に捧げるだけで生きていける」あくまでこれはカーネギーさんの認識ですが、実際、子犬はお金を持っているわけではないし、情報も持っていなければ、性的な魅力を持っているわけでもありません。それでもキャンキャン寄って来て、しっぽを振ると、飼い主に愛されます。 飼い主はこのとき、子犬から何も提供されていないようで、実は「自分は必要とされている」という重要な感覚を受け取っているのです。これは何も相手に提供するものを持っていない人が、有力者に好かれるための重要な要素になるでしょう。 このことは、社外コミュニティのような場所でだけ通用する原則ではありません。読者の多くの方々が属しているであろう、会社組織にも十分に当てはまる話です。 実際、入社して1年とか2年という社員であれば、正直、実力的にそれほどの大差が出るわけではありません。では、どんな社員が持ち上げられるかと言えば、上司にベッタリくっついて、「これはどうやれば良いのですか?」なんて、何度も質問したり相談して、「ありがとうございます!〇〇さんは凄いです!」などと言っている社員ではないですか? 「うまく取り入りやがって」などと憤慨(ふんがい)している方もいるかもしれません。しかし、そういった、「上司の自己肯定感を高める」という行為は、お金がかかりませんし、簡単ですし、そのリソースには上限がありません。こんな簡単なことをやらないだけで人生がうまくいかない人が、世の中にはたくさんいます。 誰もができるが、ほとんどの人がやっていないこの簡単なことを、私は「子犬作戦」と呼んでいます。