【「うっかり忘れ」が頻発するなら、若くても要注意!】「記憶低下型」の老化脳、今すぐやるべき対策は?
最近は、スマホやマルチタスクの影響も相まって「脳疲労」というワードが身近になってきたけれど、放っておくとそれが「脳老化」へと繋がってしまう可能性が。そんな脳老化には、5つのタイプがあります。そこで今回は、「記憶低下型の老化脳」タイプについて解説します。 【脳老化診断】 脳の老化をチェック。 20・30代も脳の老化が加速中!? 対策法も解説!
教えてくれたのは……西 剛志さん
脳科学者・分子生物学者。博士号を取得した後に特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウをレクチャーし、才能を引き出す方法を提供している。テレビや雑誌、WEBといったメディア出演や講演など多角的に活動し、『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム刊)をはじめ著書も多数。
記憶低下型の老化脳
「うっかり忘れ」が頻発するなら、若くても要注意 人の顔や名前を覚えられない、スケジュールをうっかり忘れてしまうなど、物忘れが多くなる『記憶低下型』。これは、記憶の中枢ともいわれる『海馬(かいば)』をメインに、記憶に関連する部分の働きが低下している可能性があります。人の名前や顔を覚えるピークは20~30代といわれていますが、その年代でもすぐに忘れてしまうというのなら注意が必要。あとは、『ほらアレ、なんだっけ』のように、会話中に『アレ』という言葉がよく出てくるといった特徴もあります。海馬を意識的に鍛えることで、機能の低下を防ぎましょう。
今からやるべき脳老化対策
・新しい場所へ行く(いつもと違う道を通る、訪れたことのない店へ行くなど) ・自宅の空間イメージを変える(植物を飾る、部屋の模様替えをするなど) ・小さな新しいことに取り組む習慣をつける(食材の銘柄を変える、ネイルやメイクを変えてみるなど) 海馬を鍛えるために効果的なのが、場所を変えること。旅行したときや、いつもと違う場所で仕事をしたときに気分が変わった経験がある人も多いかと思いますが、それは海馬にある場所を記憶する『場所細胞』によるもの。同じ場所に居続けたり、毎日同じルートで通勤していたりすると、場所細胞の働きがオフになり、記憶力も下がっていきます。逆に、場所を移動したり、新しい道を歩いたりすると、場所細胞が活性化して海馬にもいい影響を与えるということに。寄り道をする、新しい店を開拓する、普段と違うコンビニに入るなど、積極的にいつもと違う場所へ行ってみましょう。毎日同じルートで帰宅するという習慣をやめるだけでも脳の活性度は変わりますし、いつも右側の道を歩いているのなら左側に変えるだけでも構いません。また、自宅にいる時間が長いのであれば、花を飾ったりして空間をアレンジすることもおすすめです。ただし、『やらなきゃ』と義務に感じたらストレスになるので、自分のペースで取り入れてください。 イラスト/本田佳世 取材・文/橋場鈴里 Edited by 西村 美名子
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