「年収の壁はゼロにすべき。意欲を削ぐ施策は適切なものでない」年収103万円、106万円、130万円、201万円の違いは?【年収の壁をわかりやすく解説】
■▼「年収の壁・支援強化パッケージ」って何?実は岸田政権のときから… 年収の壁に対して、政府が当面の対応策と位置づけている「年収の壁・支援強化パッケージ」。 実は、2023年10月、岸田政権のときから始まっています。 「年収の壁・支援強化パッケージ」では、年収106万円の壁に対しては、パートやアルバイトで働く人の厚生年金保険や健康保険の加入に合わせて、手取り収入を減らさないための取組を実施する企業に対し、労働者一人当たり最大50万円の支援するとしています。 また、年収130万円の壁については、パート・アルバイトの方が、繁忙期に労働時間を延長したことなどにより、収入が一時的に上がっても、会社が「一時的に収入が上がった」ことを証明すれば、引き続き配偶者の扶養に入ることが可能となる仕組みになっています。 ただ、この「年収の壁・支援強化パッケージ」は2年間のみ。 首相官邸ホームページによりますと、「年収の壁」については足もとでの対応として期限を区切った形で支援策を実施し、さらに、制度の見直しに取り組むこととしているとのことです。 ■▼「年収の壁・支援強化パッケージ」県内では利用はわずか2% 愛媛県にあるシンクタンク・いよぎん地域経済研究センターが県内の企業の約2400社を対象に2024年2月に調査した結果によりますと、「年収の壁・支援強化パッケージ」の利用はわずか2%。 そして、利用する予定がないとしている企業は73.8%と、7割を超えています。 県内で食料品製造を営む企業からは「従業員の約7割を占めるパートタイム労働者のうち、「壁」を超えて就業したい希望があった場合に備えて活用を検討している」と支援パッケージの利用に前向きな意見がある一方、「不公平、時限的措置に過ぎない」といった厳しい声もあります。 また、年収の壁については「年収の壁はゼロにすべき。存在する限り本質的に解決しない。余裕がない家庭ほど年収を稼ぎたいはず。そうした意欲を削ぐ施策は現状に対して適切なものではない」といった、制度そのものに対する意見もありました。