古書店で“バカの壁の壁”を建設中! 大ベストセラー作品をモチーフ
大ベストセラー『バカの壁』を何冊も積み上げて作り出す、“バカの壁の壁”が名古屋市の古書店で展示されて、話題となっている。『バカの壁』は、2003年に新潮新書より発行された東京大学名誉教授・養老孟司氏の代表作。累計発行部数は400万部を超え、新書ブームの草分け的存在となった作品。そのベストセラーをオマージュした“壁”が、twitterなどを通じて拡散され、“アート”化されている。 ■“バカの壁の壁”の建設 “バカの壁の壁”は、名古屋市の伏見駅地下街にある古書店「BiblioMania」の店主が発案。同店のショーウィンドウで、“バカの壁の壁”として、展示、現在も“建設”が続けられている。店主の鈴村純氏は「『バカの壁』を集めだしたのは2年くらい前からです。最初は店の目玉にでも(壁が)なればいいなと、軽い気持ちで始めました」と説明。古書の即売所でまとまって売られていた『バカの壁』を見つけ、10冊程度を展示したのがきっかけだという。即売所での買い付けたことにはじまり、常連や同業者からの寄贈などで昨年8月時点で27冊だったが、その後、twitterなどでの拡散もあり、2014年5月現在で233冊の『バカの壁』が集まっている。また『バカの壁』一冊の寄贈で、会計より100円の割引を受けられるといったサービスを行ったことも、冊数を増やしたことに貢献している。
■古書市場に流れ込む大量のベストセラー小説 『バカの壁』は、社会現象にもなるブームを巻き起こしたが一方で、現在も大量の“古本”が古書市場に流れ込んできている。出版から一定の時間が経ったことで、古書市場に溢れる『バカの壁』は古書店で価値の低い本として、安価で販売されている。「集まってくる本は、保管状態の良いものがほとんどでした。カバーが紛失していたり、折り目が付いていたり、書き込みがされている本は、あまり見当たりません」。読み込まれたであろう形跡の無い大量の本を目の前に、鈴村氏は『バカの壁』に対して「この本は売れたものの、日本人に何か影響を及ぼしたのだろうか?」と考えるようになったという。