SIMフリーに消極的だったサムスン電子、なぜ「Galaxy S24」で方針を一転させた?
しかもサムスン電子では、Galaxy AIの機能をGalaxy S24シリーズだけでなく、2024年4月中旬以降のソフトウェアアップデートによって、既存のGalaxyシリーズのスマートフォンにも対応させる方針を打ち出しています。その対象となるのは「Galaxy S23」シリーズや、折り畳みスマートフォンの「Galaxy Z Flip5」「Galaxy Z Fold5」のほか、Galaxy Sシリーズの中では低価格の「Galaxy S23 FE」も含まれます。
もちろん、Galaxy S24シリーズと既存モデルとでは搭載するチップセットも違っていることから、Galaxy AIの全ての機能が実現するとは限らないようです。ただ、新機種だけでなく、既存モデルにもその利活用を広げようとしている様子を見るに、サムスン電子がGalaxy AIにかなり力を注いでいることは間違いありません。 ■政府の値引き規制で“忖度”から“拡販”へ ですが、日本向けの戦略として、Galaxy AIより注目すべき動きとなるのがSIMフリーモデルの販売です。Galaxy S24シリーズは、従来のNTTドコモとKDDIの「au」ブランドから販売するモデルに加え、オープン市場に向けたSIMフリーモデルを2024年4月11日に同時発売しました。
最近では、携帯大手に向けてスマートフォンを供給しているメーカーであっても、メーカーが独自にSIMフリーモデルを販売する傾向が強まっています。ですが、その発売タイミングは携帯大手からの発売から数カ月後というケースが多く、同時発売されないことに不満を抱く声が少なからずありました。 しかもサムスン電子は、日本市場に参入しているメーカーのなかで最も携帯大手からの販売を重視しており、オープン市場への参入が最後発であるなど、長年SIMフリーモデルの販売に消極的な姿勢を取り続けてきました。それだけに、サムスン電子がSIMフリーモデルのモデルをNTTドコモやau向けと同じタイミングで販売することには大きな驚きがあったわけです。