【B1クラブ展望/川崎】底上げの先にタイトルあり…伝統と変革の両輪がかみ合うか
2024-25シーズンの川崎ブレイブサンダースは、新たな方向へ舵を切った。近年の成績を踏まえ、クラブ史上初の外国籍ヘッドコーチを招へいした決断には「再建」「背水の陣」といった言葉を連想させる。 【ハイライト】OTの末、神奈川ダービーで勝利! ロネン・ギンズブルグ新HCのニックネームは「Neno(ネノ)」。2013年から2023年までチェコ代表を率いて、日本代表とも対戦経験のあるイスラエル出身の指揮官。北卓也ゼネラルマネージャーは、2001年からコーチキャリアを歩むネノHCのもと、次の4つを重視して新シーズンに臨むと明かした。 ・チームバスケット ・ハードなディフェンス ・トランジションバスケット ・若手の成長 ネノHCが新天地で披露するのは、速いペースに持ち込むバスケットだ。今シーズンのロスターは12名のうち在籍2年目以下の選手が9人。「ネノのバスケットは本当にペースが早いので、5人でできるバスケットではない」と北GMが述べたように、先発も控えも、無論、所属年数も関係ない。毎試合、総力戦で勝ち星を積み重ねることだけにフォーカスし、常勝チームの復活を目指す。 その中でも、ニック・ファジーカス、ジョーダン・ヒースが抜けたインサイドは特に期待だ。サッシャ・キリヤ・ジョーンズとアリゼ・ジョンソンはともに万能型。ジョンソンは「リーダーシップを発揮してチームの柱になりたい」と意欲を示しており、プレー面以外でも注目したい。 今シーズンのスローガンには『BE BRAVE 変化に常に勇敢であれ。』を掲げた。伝統と変革。2つの歯車がかみ合ったとき、未だ見たことのない景色が待っている。
■KEY PLAYER/SG #35 マシュー・ライト
2022-23シーズンから日本でプレーするマシュー・ライトは、持ち前の得点力を発揮して2年連続の平均2ケタ得点をマーク。攻撃をクリエイトする能力もあり、ハンドラーやアシストでの貢献も期待が高まる。 2014年からプロキャリアをスタートさせた33歳は、「プロ11年目、日本では3年目になるので、これまで経験を生かして若手の選手を引っ張っていきたい」と意気込む。 攻撃面では「シュート力を生かして得点を取ることはもちろん、僕自身、自信家でもあるので、試合終盤でのクラッチシュートも決めていきたいと思っています」とも話し、新天地でも接戦に終止符を打つビッグショットを決めてくれるだろう。 文=小沼克年
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