【定年後・60歳からの働き方②】会社員も専業主婦も、今まで生きてきたことすべてが貴重な経験。その経験を資格が後押しして、60歳からの仕事にプラスの効果を!
自分の人生に責任を持てるのは自分だけ
Q.新しい仕事にチャレンジしようとするとき、老いた親が心配するとか、口うるさい親戚から世間体が悪いと言われたとか、そういう心配をする女性もいますよね。 紫乃ママ:そういう話を聞いてまず思うのは、そういう人たちは、あなたの人生の責任を取ってくれないということです。そういう人たちの言うことは、軽く受け流しておけばいいんです。 自分の人生に責任を持ってくれない人の意見を取り入れるのはやめたほうがいいです。「自分の人生に責任を持てるのは自分だけ」です。 もし、そうやって大反対しているのが、自分が傷つけたくない大切な人であり、「その人を傷つけたくない」「その人を傷つけてまでやりたくない」と思うのであれば、ちょっと考え直してみたほうがいいかもしれませんけどね。 それと、もし、その人が仕事を始めて生き生きと「毎日すごく楽しい!」って言って、その仕事の話をしていれば、世間体とか、得体の知れないもので反対していただけの人も変わってきますよ。 相手に言われるからって、自分のやってみたいということを潰すのはもったいないです。 やりたいことなんて、人生の中でそんなにずっとあるわけではなくて、時々ふっと「やってみたいな」と浮かんでくるもの。だからこそ、その思いは大事にしたほうがいいと思いますよ。
日常から一歩はみ出てみると、人生の選択肢が増えて世界が広がる
Q.会社員であれ、専業主婦であれ、どうしても人は自分のいる社会しか見えていなくて視野が狭くなりがちですよね。その点、こういう昼スナックみたいなところで、いろいろな人と出会って、自分とは違う業界の話、違った価値観を持つ人の話を聞けるというのはいいですね。 紫乃ママ:ここで出会える人たちは、いろいろな職業、いろいろな生き方をしてきた人たち。言ってみれば「働く人の生きた標本」です。ですから、ここで聞ける話は、ネット記事や本で読んだだけではわからないことがいっぱいありますよ。 あとは、視野を広げるためには、習い事とか、ボランティアを始めるのもいいと思います。なんでもいいから、今の生活からちょっと横にはみ出すという行動をしてみること。そうしない限り、情報を増やすことができないですから。 外の世界から得た情報が自分の選択肢に1個加わって、世界が広がります。 そういうことがないと、今までの自分の経験の中からしか選び取ることができない。それはすごく狭いから、限られた情報の中で、ぐるぐると同じことを考えることになってしまいます。 もちろん、そこで出会った人と仲良くして、ガッツリ友達になる必要もないです。嫌だったら離れてしまうのもひとつの方法。 なんでも最初からきっちりやろうとしないことも、大切ですよ。ふらふらっと行って、「こういう仕事がある」「こんな資格を取っている人がいる」って知って帰ってくるだけでもいいんです。そういうものの中から、これは自分に合っていそうだなとか、ちょっとチャレンジしてみようかな、と思ったものがあればやってみればいいのではないでしょうか? 皆さん、会社員として、主婦として、いろいろな責務をまっとうしてきたわけです。それがこの年代になって、自分の時間を自由に使えるようになったのであれば、こんなに素敵なことはないじゃないですか。周囲の言うことなんか気にしないで、思いっ切り好きなことをやったらいいと思いますよ。 取材・文/瀬戸由美子