【定年後・60歳からの働き方②】会社員も専業主婦も、今まで生きてきたことすべてが貴重な経験。その経験を資格が後押しして、60歳からの仕事にプラスの効果を!
短期間でもいいので、まずは「経験あります」と言える実績を
Q.異業種から転職する場合や、専業主婦のように長いキャリアブランクがあって再就職する場合、資格を持っていても、「経験がない」ということで不採用になることが多いようなのですが…。 紫乃ママ:そうですね。経験を重視するというのは社会では当然のこと。 であれば、どんな組織でもよいので、どこかで経験を積めばいいと思います。選り好みしていないでまずは働いてみること、その会社で一生働き続けなくてもいいわけです。 ある意味、❝エビデンス作り❞とでも言いましょうか。このエビデンス作りには正社員でなくてもいいです。パートや派遣社員でもいいのです。 その期間は、1年でも2年でもOK。職種によっては3カ月でいい場合もあるかもしれませんね。自分が「経験あります」と言える期間と考えればいいと思います。 だって、この年代は働ける期間も短くなってきています。20代であれば、それは3年とか5年とか、しっかりやったほうがいいとは思いますが、40代、50代になったら、そんな時間はないです。 でも、たった1年であっても、ただ、資格だけを持っているのではなく、どこかの組織に入って、資格に加えて「こういう経験を〇カ月間積みました」と言えれば、次の新しいキャリアスタートの入り口はぐんと広くなります。 いくら立派な資格を持っていたとしても、どこの企業も新卒以外で「未経験の人」を雇うことに不安があるわけです。 そういうシビアな状況は当然ですよね。 でも、その資格を使って実際に業務を行った経験があるとなれば、ずいぶん見え方は変わります。ですから、資格と実務経験はセットだと思ったほうがいいです。 それから、この年代であるにもかかわらず、2、3社を落ちただけで、「もうダメだ」「自分には需要がない」と妙にナイーブに反応している人がいますけど、逆に「どんだけ自己肯定感が強いんだか!」と思いますね。 そんな少ないチャレンジで都合よく採用されるほど、世の中は甘くないです。その点も自覚しておいたほうがいいですね。 10社や20社断られても、めげずにどんどんチャレンジした人だけがチャンスをつかめるんです。 もちろん、少しずつ微調整して戦略を変えるとかはしていかないといけないですけどね。最初からうまくいくなんてことはないです。「100発中ひとつでも当たったらすごい」というくらいに思ってチャレンジしてみてください。 それから、女性の場合、子育てや介護でキャリアを中断し、社会に出て働くことから長期間離れていた人も多いですよね。そういう人こそ、資格がいろいろなドアを開ける鍵になることもありますね。 仕事ってスピード感やコミュニケーションスタイルが日常生活とは全然違うので、そういった仕事社会にキャッチアップできるか、ということに不安を持って、自信をなくしている人がすごく多いです。たとえ学歴が世間的には立派でも。 でも、それは能力というよりも、体がなじめていないということ。そういう意味でもやはり「慣らし」はやっておいたほうがいいのでは。短期の派遣でも半年間のアルバイトでもいいから、体を慣らす仕事をしておきましょう。同時に「経験」も作ることができます。