規制や不況と戦い生まれた、今日への礎──日本の名車100選【平成13~26年編】
KAWASAKI Ninja 250R──フルカウル250スポーツを再興した立役者
’00年代に入り、250スポーツの生産終了が相次ぐ中、カワサキが世界戦略車として’08年に投入。デビュー当時、国内250クラス唯一のフルカウル車で、長寿ツアラーのZZR250をベースに、モトGPマシン=ZX-RRをモチーフとするデザインを与えた。パラツインは新たにFIを採用し、31psを発生。微粒化インジェクターとデュアルスロットルバルブにより低中速域で扱いやすく、前後17インチやペタルディスクの足まわりも充実している。高品質ながら、海外生産と徹底したコストダウンで50万円を切る税込価格(’08年当時)も実現し、大ヒットを記録。現代に通じる250ブームの火付け役となった1台だ。 【KAWASAKI Ninja 250R 平成20(2008)年】主要諸元■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 248cc 31ps 2.1kg-m■151kg(乾) ──こちらはニンジャ250RのルーツとなったGPX250R(昭和62年=1987年)。北米ではニンジャ250Rと名乗り、2008年に新型ニンジャ250Rが登場するまで継続販売されていた。
KAWASAKI Ninja1000──速いけどイージーな万能選手
高い運動性能を有しながら、安楽なライポジで街乗りやツーリングも得意な“ラクッ速”のハイト系スポーツ。このジャンルをメジャーに押し上げたモデルが、’11年に登場したニンジャ1000だ。ベース車は快速ネイキッドの’10年型Z1000(写真右)で、エンジン上部をメインチューブが通るバックボーンタイプのアルミフレームに、リニアなレスポンスを示すダウンドラフト吸気の1043cc直4を搭載。これにスーパースポーツ風のフルカウルと手動で3段階調整が可能な可変式スクリーンを与え、快適な巡航性能を実現した。さらに厚みのあるシートや、19L燃料タンク、大容量シート下スペースなどで実用性を高めている。 【KAWASAKI Ninja1000 平成23(2011)年】主要諸元■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1043cc 138ps/9600rpm 11.2kg-m/7800rpm■228kg(装備)■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 【KAWASAKI Ninja1000 平成23(2011)年】幅広&アップハンによる乗車姿勢で長距離がラク。一方、軽快なハンドリングとトルクフルな中速域により、峠ではスーパースポーツを従えて走ることも可能だ。