規制や不況と戦い生まれた、今日への礎──日本の名車100選【平成13~26年編】
HONDA CBR1000RR──RC211Vの遺伝子を継承したRR
スーパーバイク世界選手権(SBK)のレース規定が変更され、4気筒モデルは1000ccに。これを受けたホンダは、CBR900RRにフルモデルチェンジをかけ、モトGPマシン=RC211Vの技術を惜しみなく注いだCBR1000RRを投入した。新設計エンジンは954→998ccに拡大され、シリーズ初の主要3軸三角配置を導入。メインフレームから独立させたユニットプロリンクサス、市販車初の電子制御ステアリングダンパーもRCV譲り。公道を視野に入れつつ、サーキットでの勝利を狙った初のRRとなった。そして、センターアップマフラーも話題に。RCVと瓜二つのスタイルを作り上げ、空力やバンク角の面でも有利。同年登場の新型R1と並び、スーパースポーツのトレンドとなった。 【HONDA CBR1000RR 平成16(2004)年】主要諸元■水冷4ストローク並列4気筒DOHCバルブ 998cc 172ps/12500rpm 11.7kg-m/8500rpm■179kg(乾)■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ※諸元は海外仕様/写真右はRC211V
YAMAHA TMAX──スクーターの皮を被った本気スポーツ
250ccスクーターブームは、’00年代になると大型クラスにも波及。クルーザー指向が強まる中、ヤマハはスポーツ性能を追求したTMAXを投入した。スクーターで一般的なユニットスイングではなく、ダイヤモンドフレームや独立式リヤアームを採用。抜群の軽さと運動性能を実現し、元祖マキシスクーターにして今も代表格に君臨する。 【YAMAHA TMAX 平成13(2001)年】主要諸元■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 499cc 38ps 4.5kg-m■198kg(乾)
HONDA CBR600RR──初のミドルRRはプチRCV
CBR600F4iの後継機としてデビューした、600クラス初のRR。CBR1000RRに1年先駆けて、市販車で世界初となるセンターアップマフラーやユニットプロリンクサスなどRC211Vを意識した装備を与えた。設計自由度が高く、軽量&高剛性な新鋳造方式の中空構造アルミフレームも世界初。欧州を中心にレースや公道で人気を博した。 【HONDA CBR600RR 平成15(2003)年】主要諸元■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 599cc 119ps 6.7kg-m■169kg(乾)