規制や不況と戦い生まれた、今日への礎──日本の名車100選【平成13~26年編】
HONDA CB1300シリーズ──ジャパニーズネイキッドの真髄
CB1000スーパーフォアは’98年に1300に進化し、重厚長大路線に舵を切る。だが、スポーティなCBを望む声は多く、またライバルであるXJR1300の好調な売れ行きを前に、’03年に全面刷新を敢行した。新設計エンジンなどで12kgもの減量を達成。さらに高重心化による軽快なハンドリングで、堂々たる車格ながら運動性能を両立し、大型ネイキッドの決定版となった。’05年にカウル付きのスーパーボルドールも追加。 【HONDA CB1300 SUPER BOL D’OR 平成17(2005)年】主要諸元■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1284cc 100ps 11.9kg-m■261kg(乾) 【HONDA CB1300 SUPER FOUR 平成15(2003)年】
YAMAHA YZF-R6──コーナリングで兄・R1の先を行った
’99年にデビューしたYZF-R系の次男が、’06年型で3世代目に進化。ショートストローク化をはじめ、吸排気チタンバルブや圧縮比アップで高回転化を促進。メーターには2万rpmまで刻まれる。さらに特筆すべきは量産バイク初の電子制御スロットル。いち早く電脳化を推し進め、画期的なレイヤードカウルも後世に影響を与えた。2024年に欧州でレース専用マシンとして販売されるR6もこのマシンが原型となっており、2017年~2022年にかけてワールドスーパースポーツ選手権で6連覇するなど、きわめて高い戦闘力を誇っている。 【YAMAHA YZF-R6 平成18(2006)年】主要諸元■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 599cc 127ps 6.7kg-m■161kg(乾)
YAMAHA WR250R/X──妥協のないオフロード版R1
WR250R(写真右)は“オフロードでのYZF-R1”をコンセプトに開発。新設計の水冷シングルは、250初のチタンバルブやストレート吸気で31psを叩き出す。これを市販250オフロード初のアルミフレームに搭載し、乾燥重量はわずか123kg。モトクロッサーに迫るスペックで大いに話題を呼んだ。サスペンションも前後フルアジャルタブルとこれまた豪華。WR250X(左)は前後17インチホイールを装着したモタード版だ。 【YAMAHA WR250R/X 平成19(2007)年】主要諸元■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 249cc 31ps 2.4kg-m■123kg(乾)