【会見全文書き起こし・後編】翁長知事「基地は沖縄経済の最大の阻害要因」
そうすると、沖縄の調査船も入れないような日米地位協定、これは犯罪もみなそうです。もう27年間の統治下のときには余計大変だったですけれども、それでも日米地位協定というものが、いかに日本を縛ってるか。防衛局に抗議に行っても何にもできませんよ。ただ、「米軍に伝えます」と、これだけです。沖縄大使に行っても、「米軍に伝えます」と、これだけの当事者能力が日本にないのを見ると、もしかして、これは、日本の独立は神話だとアメリカが言ってるのではないかなという、こんな感じさえ受けるんですね。本当にそういうことで、日本の誇り、日本を取り戻すという、美しい国、日本というものが本当にこの出来上がってるのか、あるいは出来上がろうとしてるのか。もっと自分の力で、しっかりと地に立って、自国民を愛して、そしてその中から日米安保を作って、日米同盟を作って、誇り高い、アジアのリーダーとしての日本というものを作っていただきたいと、こういうふうに私は思っているわけであります。 経済的に言いますと、もう、基地は、沖縄経済発展の最大の阻害要因になってるんです。終戦直後は、GDPの50%ありました。27年後の復帰するときの基地関連収入は、15%まで落ちてます。今、どれだけかと言いますと4.9%です。沖縄のGDPの4.9%。で、基地がある中で沖縄の経済がどういうふうに阻害されてるかっていうのは、那覇市の新都心地区なんか見ますと、52億円の軍用地料があって、25年前に返されるときには、地主さんは、「いや、これ返されたらうちは生きていけるかね」などと言っておったんですが、あそこに私が市長になって15年前に区画整理をして町ができました。どういうふうに変わったかといいますと、52億円が600億円に。雇用は180名しかいなかったんですよ。芝生を刈ったり、米軍のうちを直して歩いて、180名しかいなかったんですが、今、1万8、000名、100倍働いてるんです。そして、税収は6億円から97億円。15倍増えてるんですね。基地がなくなると、今、沖縄は大きく発展するんですよ。基地関連収入なんかは、沖縄からしたらもう問題でないんです。むしろ邪魔なんですよ、経済の面から見たら。実に迷惑な話になってきてるんです。