【会見全文書き起こし・後編】翁長知事「基地は沖縄経済の最大の阻害要因」
リー:香港衛星テレビと申します。今、日本政府は中国の軍事力の増強に対して、それは脅威だと言ってますので、従って沖縄にあるアメリカ基地は絶対必要としてます。知事に伺いたいのは、中国のへの見方、本当に脅威なのか、これからどう向き合うのか、それについて伺いたいです。 翁長:この中国の脅威でありますけれども、中谷防衛大臣と話をしたときも、中国が脅威でどれだけスクランブルがあるか、どれだけ尖閣も含めて侵入があるか、だから、それぞれに基地を、自衛隊も宮古にも石垣にも与那国にも置かなきゃいけないんだと。日本の安全保障を考えるために、ぜひこれは理解してもらいたいという話がありました。で、私が申し上げたのは、じゃあ、私たちが27年間、米軍の施政権下にあったときのソビエトとの冷戦構造時代は、今の時代よりは平和だったんですかと。その過去と比べて、いわゆる今の中国の脅威というものは、あの冷戦構造時代よりももっと脅威になってるのかどうか、それから積極的平和主義ということで、オバマさんと協定を結んで、これから中東も視野に入れて、沖縄の基地を使うと言ってるわけですよね。 そうすると沖縄は、今までは冷戦構造のときには自由主義社会を守るんだとか、そういった理由で沖縄の基地の存在価値があったのに、いつの間にか中国を相手に、そして、先々は中東も視野に入れて、沖縄に基地を置くということになります。そうすると、私たちの沖縄というのは、ただ、ただ、世界の平和のためにいつまでも、それだけの基地を預かって我慢しろというようなことになると思います。
そして、沖縄がそういうことで必要だと言うんですが、アメリカのジョセフ・ナイさんとか、マイク・モチヅキさんとか3年ほど前までは、日本のそういった防衛に対して、日米安全保障に対して、積極的に話をされていた方がなんておっしゃっていたかと言いますと、もう中国のミサイルが大変発達をしている。今、アメリカの原子力潜水艦に20発ぐらいミサイルがあるらしいんですが、その20発の1発の威力は、広島、長崎の5,000倍と言うんですよ。5倍とかじゃないんです。そうすると、中国はそれよりもっと下だとしても、おそらく、500倍はあるんじゃないですかね。この500倍のミサイルが、沖縄の普天間や嘉手納に飛んできましたら、沖縄県民もそうですが、アメリカの軍人、軍属もみんな一発でやられますよ。そうすると、やはりグアム、ハワイ、サイパン、こういったところに、遠いところから、防衛をすべきだというのが、ジョセフ・ナイさんとマイク・モチヅキさんの話でした。 ところが前知事が了解してしまったもんですから、この論が今、後ろに下がっております。下がってはおりますが、言ってることは正しいんですね。ですから、この中国の脅威に、本当に沖縄がこの基地を強化して対応できるのか。これが私からすると大変疑問であります。なおかつオスプレイは運輸、輸送するための飛行機ですので、攻撃をするとかそういうものじゃございません。ですから、その抑止力になるなどということは、まずあり得ない。それからこの1県に、さっきも言いましたけども1県に日本の防衛の全てを押し込めて、いざ、何かがあると、本土が逃げて行ったら、沖縄がまた戦場になるじゃないですか。私が沖縄の保守の政治家として子や孫を守るために、全体として平等にやるのは、私はオッケーですよ。日米安保体制、認めますから。全体で平等でやるのはオッケーですけど、74%も背負わせて、お前たち、日米安保をなんと考えてるんだという話をする人は、私はよっぽど自制心のない人じゃないかなと、このように思いますね。