坂東龍汰と三浦獠太、ロータスに乗って初のサーフトリップへ “Wリョウタ”の意外な関係とは?
同い年の俳優ふたりは親友でライバル
今回の撮影現場ではムードメーカーで天真爛漫だった坂東龍汰。一方、どこかマイペースで落ち着いた語り口の三浦獠太。個性の異なるふたりの俳優の旅を追っていて、27歳同士の彼らが、生まれる少し前の映画『エンドレスサマーⅡ』を思い出した。それは、大雑把でお調子者のパットと計画的で几帳面なウィングナットという2人が最高の波と夏を求めて世界を旅するサーフドキュメンタリームービーだ。主たる目的であるサーフシーンだけでなく、旅での出来事(ときにアクシデント)や新しい出会い、そして何より坂東と三浦のように個性が違うふたりの友情が、クサい演出や押し付けではなく、さりげなくも印象的に薫ってくる点に心が動かされるのだ。もしかしたら俳優としてはライバルとして意識しているのかもしれない。それでも、ふたりのやりとりや醸す空気に触れていると、そこには演技や建前ではない本当の「友情」としか言えない温かいものを感じるのだ。 「こんなに疲れたの久しぶり。年取ったのかな」(坂東) 「じゃないと思うぞ。いつもと違う動きをしたからじゃない?」(三浦) 「いやいや、高校生のときに一度だけサーフィンしときはさ、もっと……」(坂東) 「いやいや、それはさ……。でも、サーフィン気持ちよかったね」(三浦) 「めちゃくちゃ楽しかった。もう少し海にいたかった。サーフィン上手くなりたい」(坂東)「またプライベートでやろうよ」(三浦) 「確かに。また来たいね」(坂東) 一時が万事、ふたりの会話は凸凹とした掛け合いからはじまり、自然とまとまりを見せる。SUPクルーズから戻ってきたふたりは、川から直接アプローチできるby the river Isumi のウッドデッキへ。ウエットスーツを脱ぎ捨てバレルサウナへ直行した。 「僕は、コミュニケーションを深める場所がサウナとか風呂なんです。『みんな飲みに行こうぜ!』って感じで一緒にサウナに入って仲良くなる。地方ロケのときは、必ず共演者の方と風呂に行きます。裸の付き合いってやつですね。疲れも取れるし、無になれる。子供の頃からの習慣でもあって」(三浦) 「お父さんとも一緒に入るんだよな」(坂東) 「家族との会話の場所でもあるからね」(三浦) 「家族みんなで入るんだ?」(坂東) 「母ちゃんが一緒に入るわけないだろ!」(三浦) サウナをから飛び出て氷が浮かんだ水風呂に浸かり、ウッドデッキのリクライニングチェアで外気浴。至福の整い時間を無言でともにするふたり。どちらからともなく、次の旅の計画を話し始めた。「次は山じゃない?」「川で釣りしたり」「いいね、釣り」「カヤックとか?」「悪くない」「田植えとかもやってみたい」「野菜も育てたい」「一年がかりの企画だな」「なら登山?」「あとさ、足にジェット付けて飛ぶやつ、あるじゃん」「それ海だろ(笑)」「(笑)。あと滝行も。セスナとかも乗ってみたい」「もうキリがない(笑)」。 そして最後に、坂東は撮影スタッフに、こう話した。「サーフィン、SUP、サウナ。今日、やりたいことを3つも三浦と一緒に叶えられてとても幸せでした。ありがとうございました」 それぞれ別の撮影現場があるなかで、時間を合わせて、この夏ふたりは旅をした。短い時間だったが濃密だった。2024年の暑過ぎた夏の思い出にするのに悪くない旅だ。旅を終えて、それぞれの個性を輝かせる場所へと戻ってゆく。そしてまた、いつかふたりは旅に出るに違いない。 グランドツーリングといえば、旅のみちのりで聞く音楽も重要だ。BGMとして掛けたい音楽について尋ねた。たとえば、夏に海へ向かうときに聴きたいアーティストは? 「俺はTUBEですね」(三浦) 「俺は絶対サザンオールスターズです」(坂東) Wリョウタ。どこか似ているようで、どこまでも違う個性なのである。