自民・萩生田光一氏、落選危機招いた因縁の政倫審へ 執行部に翻弄され「落選した仲間も」
自民党の萩生田光一元政調会長は18日午後、旧安倍派パーティー収入不記載事件に関して衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席する。萩生田氏は2、3月の政倫審に出席していないことから、10月の衆院選で党公認が見送られ、無所属での出馬を余儀なくされた経緯がある。「説明責任を果たしていないといわれたことがどうしても腑に落ちなかった」と語っていた。 ■党の役職停止1年 「落選した仲間に政倫審で説明したいと名乗りを上げたのに出られなかった人もいる。説明責任を果たしていない奴だと言われたのは気の毒だ」 萩生田氏は衆院選後の11月1日、ジャーナリストの櫻井よしこ氏のネット番組でこう語った。 2、3月に実施された衆院政倫審に関しては、萩生田氏は当初、出席の意向を示していた。 政倫審は疑惑が取り沙汰された議員の申し出で開催が可能。当時は岸田文雄前首相(前党総裁)のもと、派閥実務に当たった事務総長経験者らに対象が絞られた。事務総長を経験しない萩生田氏は外れた。 当時、令和4年4月に同派会長を務めていた安倍晋三元首相の指示で、パーティー券販売ノルマ超過分の資金還流が中止され、安倍氏の死去後に再開されたという経緯の解明が焦点とされていた。 萩生田氏は番組で「(同派の)80数人が全員出たいといって毎日政倫審を行えば、令和6年度予算案の年度内成立が危ぶまれた」と理解を示す。 萩生田氏を巡っては不記載額が党内で3位と高額で、4月に党の役職停止1年が科された。 ■「手足縛られて海に」 ただ、9月末に発足した石破茂首相率いる新執行部で、萩生田氏は政倫審に出席していないことも理由に公認が見送られた。非公認とされたにも関わらず、自身が代表を務める政党支部に選挙期間中に活動費2000万円が振り込まれたことも共産党機関紙の報道で明らかになった。 非公認の状況について萩生田氏は番組で「手足を縛られて海にほうり出された感じで、政治家の生き死ににかかわる問題だ」と述べ、「われわれのグループが党に迷惑をかけたことは事実だが、非公認にするならそれなりの根拠が必要だ」と政倫審を巡る党の対応を疑問視した。 衆院選は、立憲民主党候補に3・7ポイント差に迫られる辛勝だった。