球速向上と怪我防止に必須の「肩甲骨の柔軟性」 棒1本で効果絶大な“スキマドリル”
中学硬式強豪・取手リトルシニア監督が勧める投手の能力向上トレーニング
投手の故障を防ぎ、パフォーマンスアップにつなげるポイントは、肩甲骨の柔軟性にあるという。選手たちが一気に成長できるオフシーズン。フィジカルやスキルを上げレギュラー獲りを目指す少年野球の球児たちに向けて、一流の指導者、トレーナーにお勧めのトレーニングを紹介してもらった。茨城県の中学硬式野球チーム・取手リトルシニアを指揮する石崎学監督が推奨するのは「肩甲骨の柔軟性」を高めるドリルだ。 【実際の動画】球速アップを目指す球児たちは必見 怪我予防にも役立つ肩甲骨機能向上メニュー 5度の全国制覇を成し遂げている取手リトルシニアは、投手育成に定評がある。石崎監督は指導者よりもトレーナー歴の方が長く、これまで高校球児を中心に25年間トレーニングをサポートしている。 たくさんの選手を見る中で、投手のパフォーマンス向上に不可欠と感じているのが、肩甲骨の可動域の広さだ。柔軟性を高めることで、球速アップや怪我の予防に効果があるという。そこで、取手リトルシニアでも取り入れているのが、長い棒を使った肩甲骨のコンディショニングだ。 まず、両腕を伸ばした状態で両手で棒を握る。そして、両腕の間に頭をくぐらせながら、棒を背中側へと持っていく。次は同様に、背中側から頭の上を通して棒を前に持ってくる。棒を握る時に両手の間隔が狭いほど、肩甲骨の可動域が広いということになる。まずは痛みを感じない範囲からトライしてみたい。
もう1つが、肩甲骨を大きく動かすメニュー。右手を右肩、左手を左肩につけて両肩を回す。この時、両肘を胸の前でくっつけ、できるだけ両肘が離れない時間を長く保ちながら、肩を大きく回すように意識するのがポイント。動き自体はシンプルだが、肩甲骨を寄せる、離す、上げる、下げる、などの様々な要素が入っている。 2つのトレーニングは場所や時間を問わずにできる。練習前後や自宅で、空いた時間でも能力アップを目指せる。やればやるほど柔軟性は高まるだけに、継続して行えるかが鍵となる。
First-Pitch編集部