ひろゆき、中野信子と脳を科学する④ メンサ会員、お笑い芸人、おバカタレント......「頭がいい」とはどういうこと?【この件について】
ひろ 例えば『クイズ!ヘキサゴンⅡ』(2005年から11年までフジテレビ系で放送)で一世を風靡したスザンヌさんなんかは、実際に話して「この人、頭いいな」と思いました。理解力や対応力が高いんですよ。 中野 里田まいさんもそうですよね。ここで一度「頭がいい、悪い」の定義をはっきりさせる必要がありそうです。単にテストの点がいいというだけでなく、相手の気持ちを察する能力や適切な言葉を選択する能力なども含めて考えるべきかもしれません。 ひろ テストの点がいいよりも、相手の気持ちを察する能力がある人のほうが頭がいいですよね。 中野 そうですね。本当に頭のいい人は「バカっぽい」行動を戦略的に使うことができるじゃないですか。例えば豊臣秀吉がそうですよね。乱世の時代を生き残ったり、織田信長のような主君に気に入られるために頭が悪いフリをする能力があったはずです。 ひろ おバカタレントとして成功している人たちは、実は周囲の状況を的確に把握し、適切なリアクションができる能力を持っているんでしょうね。 中野 鈴木奈々さんもおバカとは思えません。彼女はめちゃくちゃ戦略的ですよね。学校の成績はわかりませんが、コミュニケーションに関する脳の機能は人並み以上に高いはずです。そうでなければ第一線で活躍し続けるのは、絶対無理だと思います。 ひろ あと、クイズ番組でのお笑い芸人さんの答え方を見ると面白いんですよ。一般的に頭がいいとされる人は、普通に正解を答えようとします。でも、お笑い芸人さんは正解を考えつつ「この場をどう面白くするか」というもうひとつの軸を考えています。 中野 なるほど。 ひろ 例えば「このタイミングなら」「このメンバーなら」「前にこういう答えがあったから、それにかぶせるなら」といった具合に、さまざまな要素を考慮しながら面白い答えを言います。そして、本当は頭がいいはずなのに「頭の悪い人」「天然ボケ」というイメージを作る。 中野 そう考えるとエンターテインメント業界で成功するために、あえて自分の頭の良さを隠すという選択をしている人もいるかもしれませんね。