中国でV2成功WBO王者木村翔が挑む最強挑戦者・田中と9月末試合期限の試練
田中に対する印象は、「技術があってスピードもある。若い選手なんで勢いもある」というもの。確かにスピードと、パンチのキレ、攻防のテクニックは、これまで木村が戦ってきた相手の中では、最強となる。だが、昨年9月に行われたWBO世界ライトフライ級王座の防衛戦では、同級13位のパランポン・CPフレッシュマート(タイ)にダウンを奪われ、逆転TKO勝利はしたが両目の眼窩底骨折に追い込まれた。 打たれ弱さもあり、しかも、フライ級に転級しての世界戦。3分間の中でも攻守にムラが目立ちスタミナ面にも不安を抱える。 「スタミナと気持ちでは絶対に負けない。ダウンとかもしているから、僕のパンチも一発あたれば、KO勝ちもありえるかな。試合が決まればチャンピオンとして必ずV3をしたい」 木村の言葉は力強かった。 中国ではシューズに縫いこんだ「雑草」の2文字が話題となった。高校時代はタイトルとは無縁で、23歳になってからプロとしての活動を再開した雑草ボクサーと、高校4冠を果たして、史上最速記録となるプロ5戦目で世界王者となったエリートボクサーとの世界戦は、そのバックストーリーも含めて対照的だ。試合間隔が短くなれば、木村にとっては大きな試練だが、ファンが見たい注目の日本人対決である。 「1週間だけ放牧させて下さい。海にもいきたい」 木村は8月6日には練習を再開する予定を組んでいる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)