30代夫婦共働きで世帯年収500万円は「低年収」ですか?子どもを持つことすら今の収入では厳しいでしょうか?
世帯年収500万円の30代共働き夫婦は「低年収」なのでしょうか。世帯年収500万円の家庭で子どもをもつことが可能かどうか、生活費や教育費などの負担をどのようにとらえるべきか、子育ての現実を踏まえた経済状況を考察します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
子育て世帯の平均年収
厚生労働省が実施した「2023(令和5)年国民生活基礎調査」において、児童のいる世帯の1世帯あたりの平均所得金額は812万6000円でした。全世帯の平均は524万2000円となるため、およそ1.5倍の差があります。 また全世帯において、30代である30~39歳で区切った統計では、平均世帯所得は「608万5000円」という結果でした。これらの結果から、30代共働き夫婦で世帯年収500万円は、平均よりは「低収入」といえるでしょう。 参考までに、国税庁長官官房企画課の「令和5年分民間給与実態統計調査」においても、30~34歳の平均年収は431万円(男性492万円、女性345万円)、35~39歳の平均年収は466万円(男性556万円、女性336万円)という結果になっています。 世帯年収500万円は30代の男性の年収とほぼ等しく、共働き収入としては高いとはいえないでしょう。
平均の支出金額や実際の教育費とは
総務省統計局がまとめた「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、2人以上かつ勤労者世帯で、世帯主の年齢階級が40歳未満の世帯は実収入の平均が月56万9355円なのに対し、消費支出は27万704円でした。年収500万円の場合、一般的に手取り額は月33万円ほどになるため、毎月6万円ほどの金額が黒字として残る計算です。 しかし、子育てをするためには教育費用の準備も必要です。株式会社日本政策金融公庫によると、幼稚園から大学まですべて公立だった場合には約822万5000円、すべて私立だった場合には約2307万5000円が必要になると算出されています。 ソニー生命保険株式会社が行った「子どもの教育資金に関する調査2024」においても、「子どもが小学生から社会人になるまでに教育資金はいくらくらい必要だと思うか」という質問に対して「1000万円~1400万円位」が31.4%、「2000万円~2400万円位」が25.4%となり、平均予想金額は1439万円という結果でした。