今や「美容医療=韓国」じゃない!? 世界的トレンド【医療×観光】 業界のプロが見た日本の「医療ツーリズム」最前線
「美容医療=韓国」ではなくなりつつある?
では、美容医療はどうでしょうか。「美容医療」と聞いて、真っ先に韓国を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし近年、その魅力に陰りが見え始めていると感じる日本人も少なくないのではないでしょうか。 かつて、日本人が韓国で美容医療を受ける主な理由の一つは、「リーズナブルな価格で多様な施術を受けられること」でした。しかし現在、その優位性は薄れつつあります。その背景には、日本国内の技術力、価格、そしてアフターケアの充実といった点で、日本が韓国に劣らない水準に到達している点があります。 筆者が2000年に神奈川県藤沢市で最初のクリニックを開院した頃、韓国は価格面で圧倒的な優位性を持っていました。例えば、しわ取り注射「ボトックス」。当時、日本国内では治療自体が新しく、供給量が限られていたため、施術を提供できる医師やクリニックが少なく、その希少性が価格に反映されていました。1カ所で数十万円という料金にも違和感がなかったほどです。 しかし、時代は変わりました。現在、湘南美容クリニックでは、最も信頼性が高いとされるアラガン社製のボトックス注射を1カ所8000円(税込み)で提供しています(これはかなり頑張っています…!)。 ボトックスやヒアルロン酸などの注入系や、レーザー治療など、あらゆる治療における韓国との価格差は相当縮まっていると感じています。それどころか、渡航費や宿泊費、そしてアフターケアの手厚さを考慮すると、国内で治療を受けた方が、結果的にコストパフォーマンスが高いケースも増えています。 …と、日本と韓国の美容医療についてお話すると、どうしても「コスト」に焦点が当たってしまいますね。「顔」は、その人の個性や生きざまを象徴する、一生涯を共にする大切な一部。顔に宿る表情や美しさは、人生そのものの豊かさにもつながるというのが筆者の考え方です。だからこそ、コストだけでなく、安全性や信頼性を何よりも重視するクリニックを選んでいただきたいなと切に思います。