米国、事前入国審査プログラムを正式運用へ、顔認証で入国可能に、「日米観光交流年」で高まる期待
ブランドUSA、日米観光交流年でプロモーション強化
2024年1月~5月の米国への日本人旅行者数は約70万人。前年同期比で50%増となっており、全体の伸び率18%を大きく上回った。 米国商務省のアレックス・ラズリー旅行・観光担当次官補代理は、「日本は現在、国際市場でトップ5まで戻ってきた。近いうちにコロナ前と同様に第2位の市場に戻るだろう」と期待を表した。 一方で、ブランドUSAグローバル・トレード・ディベロップメント・ディレクター(アジア太平洋地区)のスージー・シェパード氏は、日本のアウトバウンド市場の回復が遅れているとしつつ、日本市場の復活に向けては、米国本土だけでなく、ハワイやグアムへの日本人旅行者の回復がカギになるとの認識を示した。シェパード氏によると、コロナ前の米国への日本人旅行者の割合は、ハワイが42%だったのに対して本土は39%。2023年は、ハワイ36%に対して本土55%と逆転しており、ハワイの回復の遅れが際立っているという。 米国のインバウンド市場全体を見ると、好調に推移。米国政府は2022年に策定した新たな観光戦略のなかで、2027年までのインバウンド旅行者数9000万人、観光消費額2790億ドルの目標を掲げているが、ラズリー次官補代理によると、旅行者数については、1年前倒して、2026年にも達成できる見込みだという。 東京と大阪で開催された「ジャパン・セールス・ミッション」には、米国から32団体が参加した。2024年は「日米観光交流年」に定められていることから、現地サプライヤーの日本市場への関心は高いという。 ブランドUSAでは、販促キャンペーンコンテスト「ゴールド・ラッシュ:ブランドUSAマーケティング・チャレンジ」でグランプリを受賞した体験予約のベルトラとの共同プロモーションをはじめ、旅行会社とのパートナーシップを強化。460都市を超える姉妹都市に焦点を当てたプロモーションを進めている。 また、旅行業界向けには、米国のパートナーと日本の旅行会社の現地事務所をつなぐイベントをニューヨークで開催。今後、ロサンゼルスでも同様の機会を設ける。 一般消費者向けには、メディアとのタイアップを展開。旅行メディアでの大都市以外のデスティネーションの紹介に力を入れる。また、ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手の活躍で人気が高まるメジャーリーグベースボール(MLB)をフックとしたプロモーションも展開。日本のスポーツ専門チャンネル「J SPORTS」では、日本人メジャーリーガーが所属チームの街を紹介する番組に協力した。 さらに、2024年4月から6月にかけては、広告キャンペーン 「すべて体験しよう(Experience it All)」を実施。米国旅行では、かけがえのない経験につながることや、想像や期待を上回る感動を体験できるというメッセージを発信した。 ブランドUSAの新CEOにニューヨーク市観光会議局社長兼CEOのフレッド・ディクソン氏が7月15日付けで就任。それに合わせて、ブランディングやクリエイティブも刷新していく予定だという。 ※ドル円換算は1ドル158円でトラベルボイス編集部が算出
トラベルボイス編集部