「ブレない心」はどうしたら持てる?愛する人のそばにいるよりも、自分らしい生き方を選ぶ女性は平安時代からいた!【NHK大河『光る君へ』#45】
平安の女たち、平安の男たちを描いた、大河ドラマ『光る君へ』の第45話が11月24日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。 【画像】NHK大河『光る君へ』#45
それぞれのはばたき
世の中は年長者が若い人にその場をゆずることでまわっています。バトンを引き継いだ者は不安を覚えますが、年長者に導かれながら少しずつ成長し、いつかは独り立ちするものです。本放送では、晩年を迎えた親たちと次世代を担う若者たちの不安や期待が描かれていました。
越後弁として新たな道をすすむ賢子
賢子(南沙良)は彰子(見上愛)に女房として仕えることを自ら決めます。かつて、賢子はまひろ(吉高由里子)が仕事で家を空けてばかりいることに不満を覚えていましたが、母を敬う娘に成長し、母と同じ道へ。 まひろは賢子とともに内裏に出向き彰子への挨拶を終えたあと、光る君への原稿を娘に見せます。 まひろは「母のしてきたことよ」「これを あなたに託します」と、賢子に伝えました。賢子は原稿を母から渡されるとその重さを体感します。賢子は重量としての重さだけではなく、母がこれまで取り組んできたことの重さをずっしりと感じている様子でした。 幼い頃は母のように外で働くのではなく、屋敷にいることで家を守れると考えていた賢子。成長するにつれて、屋敷にいるだけでは家を守れないこと、母が自分たちのためにしてきてくれたことのありがたみに気づくようになりました。 賢子は家族を愛しているがゆえにまひろとすれ違う時期もありましたが、母親に反抗していた時期も為時(岸谷五朗)やいと(信川清順)を慕っていました。成長した賢子の存在は為時らにとっても心強いでしょう。
道長から政を受け継いだ頼通
一方、父親を賢子と同じくする頼通(渡邊圭祐)は、道長(柄本佑)から政を譲り受け、日々奮闘しています。 頼通は右大臣も左大臣も足を引っ張るばかりで支えにならないと不満を漏らし、周囲が自分についてきてくれないことに悩んでいます。 道長は政の厳しさは身をもって知っていますが、頼通には常に厳しく応じています。息子から「顕光殿に左大臣を辞めていただきたいのですが どうしたらようございましょうか」と相談を受けたときには、「失態の度 皆の前で左大臣を厳しく難じよ」「そのうち いたたまれなくなって辞めるやもしれぬ」と返します。この返答にとまどう頼通に対し、道長は「それが政だ!」と返します。 「それが政だ」という言葉には政の過酷さや上に立つ者に求められる在り方の厳しさがうかがえます。また、道長にとって政とは民を幸せにするものだったはずですが、頂点にのぼりつめた道長にとって政とは何であったのか考えさせられます。 道長は頼通には厳しく応じていますが、心許せる行成(渡辺大知)らには息子の力になってほしいと頼み、父親としての不安や愛情を垣間見せていました。 宮中では足の引っ張り合い、仲間の裏切りも日常茶判事ですが、50歳をすぎても誰一人欠けることなく、この四人の友情が続いているのは感慨深いですよね。