阪神株主総会で「阪急との人事交流でフロントを改革せよ」と株主が意見
阪急阪神ホールディングス株式会社の定時株主総会が13日、大阪北区の梅田芸術劇場で行われ、「ライバルチーム(巨人)のカラー(オレンジ)の阪神電車の車両の色を変えるつもりはないか」などというユニークな意見、質問が株主から飛んだが、阪神タイガースに関する質問は、ひとつだけ。 貯金「10」で2位につける好調なチーム状態を象徴するような総会となったが、「優勝できなかったら阪急と人事交流してフロントを大改革せよ」という辛辣な意見が出された。2006年の阪急阪神の経営統合以来、タイガースの経営に関しては、ノータッチの姿勢を貫いてきたグループ総帥の角和夫会長が、その質問に答えて、阪急グループとの人事交流をほのめかすなど、タイガースフロントの古き体質にメスが入れられる可能性が出てきた。 阪急阪神HDの株式総会はタイガースに関しては無風で終わりそうな気配だった。例年“モノ言う株主”からのタイガースへ向けての厳しい質問や意見は、ひとつやふたつで収まらず、株主総会での風物詩のようなものだった。だが、この日は、2時間を過ぎても一向に話題にのぼらない。 途中、阪神電車の車両のカラーについて「8000系、9300系(車両)の名前も言いたくないライバル球団(巨人)の色を見るだけで気分が悪い。色を変えるつもりはないのか」と、巨人カラーのオレンジが入った車両の色を変えて欲しいというユニークな質問や、阪急阪神HDに統合されてから、株主優待の阪神戦のチケットがなくなったので「今年はいい線いっていて優勝しそうなのに観られない」というような苦情は飛び出たが、肝心の阪神タイガースに対する“モノ言い”は、議長を務めた角会長が、「質問は残り2つで」と区切った最後の最後まで出てこなかった。 ようやく質問に立った株主は、昨年もタイガースについて質問をしていたユニホームを着た常連男性。その株主は、「戦力が均一なら6年に1度は優勝できるようになっているのに12年間優勝ができていない」というような確率論を説明した上で、「もし今年も優勝できなければ、監督、コーチ、選手の力がどうのよりもフロントの大改革をお願いしたい」と最後に“爆弾”をぶつけた。 さらに「タイガースに関しては、阪神グループと阪急グループの人事交流がない。若い頃に、1970年代の阪急黄金時代を知っている角会長に、今の阪神タイガースをどう思うかを聞きたい。阪神タイガースには、これまであまり意見も言わず、経営にタッチしないと仰ってきたが、今でもその考えに変わりはないのか。もっと交流をしていただき、強いタイガースにしてもらいたい」と、突っ込んだのである。 質問に答えた議長の角会長は、条件付きながらも前向きな姿勢を示した。