阪神株主総会で「阪急との人事交流でフロントを改革せよ」と株主が意見
阪神電鉄は2006年に村上ファンドに買収を仕掛けられた。阪神タイガースの上場案など、様々な提案を突きつけられ、困り果てていたが、阪急が“ホワイトナイト”として阪神のTOBに応じ経営が統合された。 だが、その際、経営母体の変更による新たな加盟料30億円を阪急阪神HDは、オーナー会議全会一致の元、NPBから要求されたのである。オーナーの中には、「阪急は身売りした前科がある」とあからさまに批判する声もあったという。結局、手数料の1億円だけで29億円は免除されるに至ったが、その際、「球団経営は阪神に委ね阪急は干渉してはならない」「阪神タイガースの名を残す」などの覚書が交わされたという。 免除された29億円の内訳は、10年間球団を保有した場合に返還される「預かり保証金」の25億円、野球振興基金への寄付金4億円となっている。覚書そのものはオフィシャルなものでなく公表されていない。「預かり保証金の期限である10年間を過ぎたのだから、阪急がタイガースの経営に本格参加していいのではないか」という見方もあるが、29億円免除の経緯からすると、阪急が表立ってタイガースのフロントとして経営を主導することには問題が生まれるのかもしれない。また、この日の株主は、阪急との人事交流を求めたが、阪神ファンの他の声は、どうなのかも微妙ではある。 いずれにしろ強いタイガースをしっかりとしたビジョンと信念と戦略を持って作ることのできるフロントになれば、それが純阪神であろうが、阪急との合体であろうとファンは納得するのだろうが。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)