「逆に学ばせてもらっています」“レスリング最強女子”藤波朱理20歳の父が明かす“イマドキの親子関係”「娘に怒られることも(笑)」
「まさかフォールするとは…」父も驚いた急成長
勝負には実力とともに運やタイミングも必要になる。朱理にとっては、高校2年生で初出場した2020年の全日本選手権がまさにそうだった。俊一さんが内幕を明かす。 「高1のときにインターハイで優勝していたけど、全日本の中では序列が下。枠は8名だったので、申し込んだ時点では出られるかどうかわからなかったんですよ」 翌年への延期が決まっていた東京オリンピックに出場する向田(現・志土地)真優は不出場を表明していたが、同級の元世界王者の奥野春菜、前年の世界選手権55kg級で準優勝の実績を持つ入江ななみは出場する可能性が高かった。 藤波親子も当初は、五輪階級の53kg級と非五輪階級でひとつ上の55kg級で迷っていた。どちらがベストな選択になるのか――俊一さんは誰がエントリーするのか、緻密な予想を立てながら勝負に出た。 「55kg級だとたぶん枠に入れるけど、53kg級だとギリギリだった。それでも53kg級にエントリーしました。9番目だったらアウトだったけど、8番目に入りました」 試練は続く。初戦の相手は優勝候補の奥野だった。すでに強化合宿では奥野と当たる機会もあり、その内容を聞く限り勝機は十分にあると睨んでいた。結果は朱理のフォール勝ち。その瞬間、場内は大きなどよめきに包まれた。俊一さんにとってはうれしい誤算だった。 「最初から勝つつもりだったけど、まさかフォールするとは思いませんでした」 その勢いで朱理は決勝でマークしていた入江も下し、全試合無失点で優勝を果たした。さらに翌21年6月の全日本選抜選手権でも奥野と入江を返り討ちにして優勝を飾り、世界選手権への切符を手にした。俊一さんは「シニアの世界でも絶対に優勝できる」と予想していた。 「この年は延期になったオリンピックが2カ月前に行なわれていたので、強い選手はそんなに出ていない。それでも、世代交代のチャンスだと思いました。さすがに試合内容までは予想できなかったですけどね」
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