ブレイキン初代オリンピック王者を目指す戦い!本番直前 Shigekix、Ami、KatsuOne 特別インタビュー
Red Bull BC Oneのようなブレイキンシーンの世界最高峰のバトルでも優勝経験があるAmiさんにとって、オリンピックはどのような位置付けですか? A:オリンピックに出ている人だけが必ずしも世界のトップ16では無いと思っています。もちろん過酷な戦いを勝ち抜いてきたオリンピックに出場する16人もすごいけど、たとえばRed Bull BC Oneに出るようなBboy・Bgirlにも、いろいろなスタイルの人がいて世界トップクラスです。おそらくオリンピックに出る16人と、今年のRed Bull BC One ワールドファイナルに出る16人では、全然違う出場者になると思うので、その二つを見ることでよりブレイキンの面白さが分かると思っています。 パリオリンピックでは何を成し遂げたいですか? A:自分のことを応援してくれている人たちが望んでくれているのは「自分らしい踊りをして楽しむこと」だと思うし、自分もやりたいことはそれなので、自分の踊りはこういうものだというのを表現したいと思っています。ただ、勝ち進んでいかないとたくさん踊ることは出来ないので、自分の目の前の相手を全力で倒しに行きながら、自分の踊りを表現したいです。
KatsuOne「世界に誇れる日本ブレイキンシーンの強みは、ヒップホップツリーがしっかりしていること」
パリで初めてブレイキンがオリンピックデビューとなり、カルチャーの側面だけでなくスポーツの側面も注目されますが、どのように捉えていますか? K(以下 K):ブレイキンの種目入りが確定して、一番最初にめちゃめちゃ悩んだところでした。そして、最初知った時は(ブレイキンがオリンピック種目になることは)率直に反対でしたね。ただ、実際にやってみると意外とルールなどにもアジャストできる部分はあって、そこまで変わらないと思い始めました。 ルールの側面としては、やはり競技スポーツはルールの基準が出来るわけで、ブレイキンもジャッジの基準が存在します。でもカルチャーの方は別にそういうのはなくて、ジャッジが主観で判定することになります。ただ、競技スポーツの中でもカルチャー方面の大会で世界トップクラスの実績を持つ人たちも多く活躍していますし、そういう意味でも大きな違いは無いと思っています。 あとは、障害を持った方とかも関係なく同じコミュニティにいるのが、ブレイキンの特徴であり良さだとは思います。例えば、片足のないBboyの友達もいるんですけど、舞台に立って戦う上では他の人と何一つ変わらないですし、めちゃめちゃかっこいい踊りをします。色んな人が同じコミュニティにいることが、ブレイキンの良さの一つではあるので、競技スポーツの側面が強くなって、今後、障がい者と健常者がもしも分けられてしまうのであれば、それはちょっと残念だとは思います。 カルチャーとして生まれたブレイキンにスポーツの要素が加わって、今後はどのように共存していくのでしょうか? K:スポーツとなると、やっぱり勝ち負けでスポットライトを浴びるかどうかが決まると思います。でも、勝ち負けじゃない大切な部分は、選手たちも含めてブレイキンに関わる人たちはみんな大事にしていると思います。ブレイキンのカルチャーそのものやヒップポップ文化、そういうのが好きだからブレイキンをやっていて、そういった面をアピールするためにも、勝たないと注目を浴びないので、まずは勝ってそういう側面を発信したい選手も多いと思います。ただし、スポーツはスポーツの良さがありますし、今後も勝ち負けの側面とカルチャーの側面と両方あって良いんじゃないかなと思っています。 最後にパリオリンピックで戦う日本代表ですが、日本ブレイキンシーンの強みを教えて下さい K:日本の強さは世代が幅広いことや、その世代ごとに歴史が受け継がれていることだと思っています。最初にブレイキンが広まった第一世代から現代の世代まで、ちゃんとヒップホップツリーが出来ているというか、上から下に技術だけじゃなくて歴史も伝えられている中で、世界でも活躍する選手が生まれていると思います。