サンドバッグ打ちを行う中谷潤人

プロボクシングのWBC世界バンタム級王者の中谷潤人（26）＝M・T＝が30日、神奈川・相模原市のM・Tジムで同級1位のペッチ・ソー・チットパッタナ（30）＝タイ＝との2度目の防衛戦（10月14日、東京・有明アリーナ）に向けた練習を公開。KO勝利で他団体王者との統一戦をアピールすることを誓った。 シャドーボクシングとサンドバッグ打ちを各1ラウンド披露した中谷は、軽快な動きで好調をうかがわせた。 「順調に調整できています。強さをお見せできたら」 9月26日に試合前恒例の長期合宿を8月22日から行っていた米カリフォルニア州ロサンゼルスから帰国。ロサンゼルス合宿では計160ラウンド、帰国後は既に3度のスパーリングを行い、試合までにいつも通り計200ラウンドのスパーリングをこなす予定だ。 サウスポーとの対戦は2019年6月のフィリップ・ルイス・クエルド（フィリピン）戦以来、約5年4カ月ぶり。「右（構え）と（の試合）はまっすぐなパンチが当たりやすいですけど、対サウスポーだとまっすぐが入りづらかったりするので、いろいろと角度を変えたりとか工夫をしながらトレーニングをやってこれたので、そこら辺を発揮できたら。苦手意識はあんまりない。問題ないです」とサウスポー対策に自信を見せた。 「3発ぐらい、キーになるパンチは意識して練習しているので、そういったところをお見せできたら」と3種類のキーパンチを用意していると明かしたが、具体的には「シークレットで」と笑った。 この日は中谷と一緒に来日したチームメートで、同興行で初防衛戦としてWBO世界フライ級1位のジョナサン・ゴンサレス（33）＝プエルトリコ＝の挑戦を受ける王者のアンソニー・オラスクアガ（25）＝米国＝と一緒に公開練習。中谷は「一緒にまた勝って喜びたい」と笑顔を見せた。 試合の前日には、統一戦を希望しているWBA世界バンタム級王者の井上拓真（28）＝大橋＝の3度目の防衛戦がある。中谷は「統一戦に向けてもアピールできるように。もちろんKO勝利へのアクションをしっかり起こしていって、KO勝利につなげていけるように行動していきたい。僕らしいボクシングでしっかりと皆さんに感動だったり、勇気を与えられるような熱いファイトをしたいと思います」と決意を述べた。 興行は動画配信サービスのアマゾンプライムビデオで午後5時から独占生配信される。プロ戦績は中谷が28戦28勝（21KO）、ペッチが77戦76勝（53KO）1敗、オラスクアガが8戦7勝（5KO）1敗、ゴンサレスが33戦28勝（14KO）3敗1分け1無効試合。（尾﨑陽介）