内藤に敗れたオーカーン

　新日本プロレス29日の神戸ワールド記念ホール大会で、グレート―O―カーンはIWGP世界ヘビー級王者・内藤哲也（42）に敗れ団体最高峰王座奪取はならなかった。 　今夏のG1クライマックス公式戦（8月12日、長岡）で内藤を撃破してつかんだ、キャリア初のIWGP世界ヘビー級王座挑戦のチャンス。オーカーンは内藤の左ヒザに集中砲火を浴びせ て試合を優位に進めた。 　しかし試みた雪崩式エリミネーターを阻止されるると、雪崩式フランケンケンシュタイナーで反撃を許してしまう。コリエンド式デスティーノを捕らえて大空スバル式羊殺しを仕掛けるが、直後の逆河津落としを切り返されてコリエンド式デスティーノを浴びた。 　オーカーンは正調デスティーノをこらえ逆河津落としを決める執念を見せたが、勝負を決めに行ったエリミネーターをカウンターのデスティーノで切り返されて勝負あり。最後は正調デスティーノで3カウントを奪われてしまった。 　バックステージに倒れこんだオーカーンだが「報われるには報われるまで続けるしかないとか、1万回ダメでも1万1回目は成功するかもしれないとか、諦めなければ夢は叶うとか、そういう言葉好きなんだよ」と何度でも立ち上がることを宣言。「夢を見るし、夢を叶えるためにもがく。だからよ、今日の試合を見たヤツら、10年後も20年後もずっと見続けておけ！　必ず余がIWGPを取って、アントニオ猪木を超えて、あの頃の、お茶の間のヒーローを超えてやる。その目撃者にさせてやる！」と誓いを新たにした。 　最後は下を向き、悔しさの感情を爆発させた支配者。「大『オーカーンコール』をした聖地・神戸の帝国民よ、面を上げろ！　貴様たちは大義であった…」と呼びかけたが、この日の会場の声援だけを見ればオーカーンの理想とする支配の形には届かなかった。届かなかった頂点に再び挑むその時まで、オーカーンの戦いはまだまだ続く。