「地域の課題を解決する仕事がしたい」 無印良品の店長として、大学時代の思いを実現
企業のSDGsに対する取り組みに注目が集まるなか、就活中の学生たちは、社会課題に取り組む企業へ関心を持つようになっています。社会学部で環境学などを学び、環境や社会に配慮したものづくりを行う良品計画の姿勢に共感して入社した社員の就活体験を紹介します。(写真=「無印良品 ならファミリー」の店長を務める萱瑞希さん、良品計画提供) 【写真】初任地の「無印良品 近鉄生駒」店では、そうめんなど土地の特産品も扱っていた
バイトで知った、衣料品の大量廃棄
「無印良品」を展開する良品計画は、早くからサステナビリティーに取り組み、社会や人の役に立つ事業活動を行ってきました。近年は「地域への土着化」を打ち出し、店舗のある地域と連携して、地元にある課題にも積極的に取り組んでいます。入社2年目の萱瑞希(かや・みずき)さんは、そうした良品計画の姿勢に興味を持ち、志望しました。萱さんは京都にある佛教大学社会学部現代社会学科で学びました。 「大学で社会問題や社会現象を多角的に研究するなかで、地球環境についても学びました。またアルバイト先が衣料品店だったので、衣料品が大量に廃棄されている現実を知り、環境について真剣に向き合わなければならないと実感していました。就活で企業研究をするなかで、無印良品が環境に寄り添った活動をしていることを知り、興味を持つようになりました」 萱さんは、衣料品店のアルバイトを通じて接客業の楽しさを知り、小売業に絞って企業研究をしていました。 「社会学を学ぶなかで、現代の衣服と伝統工芸品をかけあわせたようなものを作れたら、職人や伝統を残すという意味でいい活動なのではないかと考えていました。無印良品はすでにそれと似たようなことを行っていることを知り、入社したいという思いが強くなりました」 無印良品では、和紙など古来、日本で使用されてきた素材を衣類に取り入れ、伝統を未来につなげる活動に取り組んでいます。
サークルでコミュニケーション力
大学時代は部員約80人の「よさこいサークル」に所属、就活を始めてからはサークルの先輩に相談することが多かったそうです。部員同士の絆は強く、サークル活動を通じて身につけたものも多かったと振り返ります。 「イベントなどに向けて演舞の振り付けから衣装、音楽まですべて自分たちで考えていました。公園で夜中まで部員と話し合うこともありましたし、音楽を作ってもらうために、九州の業者の方にお願いに行ったこともあります。みんな本気でやっているから、ぶつかることもありましたが、サークル活動を通して相手の背景を想像する力など、コミュニケーション能力が身についたと実感しています」 4年間続けた衣料品店でのアルバイト経験も役に立ちました。 衣料品店のアルバイトでは、お客さまのニーズに合わせて商品を提案したり、コーディネートを組んだりしたときに、喜んでもらって、「また来ますね」とか「次も相談させてもらいますね」といった言葉をかけられたのがうれしかったそうです。 「自分には接客業が向いていると考えるようになりました。小売業の現場を4年間経験したので、良品計画の面接では会話がスムーズに進んだという実感がありました。アルバイト先の店長が面接の練習相手になってくれたことも大きかったです」