深夜0時に響く「うにょ~い」の掛け声… 神輿をバトンパスする男たち?! 岐阜県・神戸町の「神戸山王まつり」
燃え盛る炎の中を走り、神輿をバトンパス。深夜0時に祭りに男たちのアツい思いが炸裂する、岐阜県・安八郡神戸町の「神戸(ごうど)山王まつり」。今回は、親子三世代で祭りに参加する男たちを、タレントの寺坂頼我くん(以下、寺坂くん)が取材しました。 【動画】無事祭主の護衛なるか? 指一本触れさせずに守り抜く勇ましい姿はこちら【6分23秒~】
リレー形式で神輿をバトンパスする「朝渡り」とは
岐阜県・神戸町の「日𠮷神社」で行われる「神戸山王まつり」は、約1200年前から続く、五穀豊穣を祈願する祭り。特徴は、深夜0時にスタートする「朝渡り」と呼ばれる神事です。 「朝渡り」は、町ごとに異なる7つの神輿を「日𠮷神社」から約400m離れた「御旅所(おたびしょ)」に奉納します。道中、神輿の担ぎ手は、リレー方式で5回入れ替わります。その動きの複雑さから、「神戸町役場」が練習動画を制作するほど。7つある神輿のうち、最後に出発する「日𠮷三宮神輿」は、担ぎ手としての役割と共に、祭主の護衛も担うとのこと。 (日𠮷三宮神輿・大角聖さん) 「毎年、祭主は各区から選ばれる。(今年は)地元の先輩が祭主。普段に増して『ちゃんとやろう!』」 祭りの重役「祭主」は、神輿出発の合図を司る唯一無二の人物です。祭主の一礼を合図に、一つ目の神輿が走り出すため、神輿出発を待ちわびる男たちによって、もみくちゃにされてしまいます。 (日𠮷三宮神輿・大角聖さん) 「今年選ばれた祭主が『もみくちゃにされたくない!』と言っているので、じゃあ私たちがどうやったら護衛できるか。僕が子どもの頃、父親が一生懸命に祭主の護衛をしていた。忘れられない、あの姿は」
祭主に指一本触れさせない! 親子で継承する護衛
「日𠮷三宮神輿」のリーダー的存在・大角聖さんの父・大角輝美さんは、祭り歴70年以上の超ベテランです。 (大角さんの父・大角輝美さん) 「護衛する時は、祭主の前に色んな人が出入りする。その人たちをうまいこと怒らせないように、いかに怒らせないようにさばいていくか」 今回は、聖さんの息子・大角観右くんも参加し、三世代で祭りを継承。子どもたちも祭りに参加してもらうことで、伝統を受け継いでいます。 23時になり、「日𠮷三宮神輿」が祭主を迎えに出発。ここから約1時間、松明の火を絶やすことなく「日𠮷神社」までの道のりを護衛します。聖さんは、ゆっくり歩く祭主の歩幅に合わせて、列が乱れぬよう指示を出し続けます。 燃え尽きそうな松明で祭主を照らし続け、行列は「日𠮷神社」へ到着。狭い参道を抜けた境内で、遂に祭主が一礼しました。興奮した男たちがひしめく境内で、祭主を護衛する聖さんたちは、祭主を祭主席まで護衛し、守り切ることに成功しました。