成田空港、カスハラ対策を国内初策定 従業員守り顧客満足向上に
成田空港CS協議会の事務局を務める成田国際空港会社(NAA)は10月28日、成田空港でのカスタマーハラスメント(カスハラ)対策の基本方針を発表した。NAAの田村明比古社長によると、国内の空港でカスハラ対策をまとめたのは初めてで、空港運営会社だけでなく関係機関が参加する形としても初めてだという。 田村社長によると「週に数件は発生している」といい、日本人と外国人の比率は同程度だという。基本方針の策定にあたっては、外国人の利用が多く、国籍の違いや文化的な背景でカスハラに対する認識が異なる可能性を念頭にまとめた。空港としてカスハラ対策を進めることで従業員が働きやすい環境にし、利用者の満足度向上につなげる。 カスハラの具体例としては、1)大声、暴言、侮辱、誹謗中傷、差別的発言など、2)威圧的又は脅威を感じさせる言動、3)過剰な要求、4)要望内容の妥当性欠如、5)暴行や物にあたる行為、6)スタッフの個人情報に関することや個人への要求・攻撃、7)スタッフの個人情報に関することや個人への要求・攻撃、8)業務に支障を及ぼす行為、9)業務スペースへの立入を挙げた。こうした事例に対しては、毅然とした態度で臨む。 CS協議会は、空港の顧客満足度(CS)を向上する目的で、NAAのほかCIQ(税関・出入国管理・検疫)や警察、航空会社、店舗・サービスの運営企業、交通機関、清掃会社の代表29機関で組織。空港のCS向上に貢献したスタッフを表彰する「CS Award」やセミナー、各機関のスタッフが参加する見送りイベントなどを実施している。
Tadayuki YOSHIKAWA