【ランキング】高校生の保護者に聞く「子どもの将来で気がかりなこと」 どこまで心配するの?
高校生の子どもの将来について、保護者はどのようなことが気がかりなのでしょうか。全国高等学校PTA連合会とリクルートの合同調査「高校生と保護者の進路に関する意識調査」(2023年)から、その背景や保護者が子どもにできるサポートについて考えます。 【ランキングを見る】保護者が子どもの将来について気がかりなこと
子どもが将来、どのような仕事に就きたいのか、希望する仕事に就けるのかなど、保護者はさまざまな心配をします。 全国高等学校PTA連合会とリクルートの「高校生と保護者の進路に関する意識調査」(2023年、全国の高校2年生1752人とその保護者1457人が対象)によれば、「子どもの将来について気がかりなことがある」と答えた保護者は67.1%にのぼり、その内容は以下のようになっています。 1位は「就きたい職業に就くことができるだろうか」(72.5%)で断トツです。以下、2位「職場の人間関係がうまくいくだろうか」(45.5%)、3位「就きたい職業が思いつくだろうか」(42.7%)、4位「十分な収入が得られるだろうか」(32.8%)と続き、将来の仕事や職場、収入を気にかけていることがわかります。 一方で「毎朝、時間どおりに起きられるだろうか」(18.0%)、「年をとっても働き続けられるだろうか」(17.1%)という回答が上位に入っており、「いくつになっても子どもは子ども」と思う親心を垣間見ることができます。
子どもには、好きなことをしてほしい
リクルートの進路指導・キャリア教育専門誌「キャリアガイダンス」の赤土(しゃくど)豪一編集長は、「気がかりなことがある保護者の割合や、ランキングの順位は調査をスタートした00年代初め頃からほとんど変わっていません」と話します。 「コロナ禍によって働き方が変わり、AIの進歩により既存の仕事の多くがなくなるとも言われています。質問項目には出てきませんが、将来が不透明な時代と言われていることも、親の気がかりの背景にあると思います。1位の『就きたい職業に就くことができるだろうか』という気持ちの裏には、『子どもにはやりたいことをやってほしい』という保護者の思いがあるのでしょう」 それを裏付けるのが、調査の別の質問、「保護者が子どもと進路の話をするときによく使う言葉」です。 高校生と保護者に同じ質問をしていますが、どちらも1位は「自分の好きなことをしなさい、やりたいことをやりなさい」です。 「保護者の回答では65.9%で、他項目と比べて突出して高くなっています。この項目は19年調査で59.7%、21年調査で64.8%と、過去3回の調査では回を重ねるごとに増えています」 逆に3回の調査で経年的に低下しているのは、「資格取得を目指しなさい」「技術を身につけたほうがいい」です。 「成長分野が変化し、職種や働き方が多様化しているため、保護者も『この仕事がよさそうだ』などというアドバイスが難しいこともあるでしょう。それに多くの保護者はできるだけ子どもの夢をかなえてあげたい、子どもの希望を尊重したいと考えていることもあると思います」