「自分たちのことは自分たちで決める」学生が自ら運営 大学から立ち退き求められている国内最古の学生寮 京都大学・吉田寮
京都大学の見解に吉田寮の反論は
大学側の見解に対して、吉田寮自治会は、 「2018年の少人数交渉で川添理事(当時)に直接伝えたことを意図的に無視し、情報発信をしている」として、以下のように反論しています。 (以下 吉田寮自治会の反論) ④「在寮しているのに名簿に載っていない学生がいる、名前を公表できない寮生数15名と書かれてあるなど寮生名簿は信頼がおけない」という大学側の見解に対して、こうした経緯と相成りましたのは、当時、京都大学は寮生の保護者宛に、寮生の居住が不法占有にあたる旨を特定記録で送付したり、教務を通じて寮生本人に意味不明の呼び出しを行ったりするなど、大学側が学生を脅し、法的措置をちらつかせていたからでございます。その点を意図的に隠ぺいしているそういった主張がそのまま掲載されるのは、我々としては納得しかねます。 (大学側の②③の見解についても)矛盾していることは明白であると、私どもは考えております。
大学と学生のあるべき姿は
現棟が”老朽化している”という前提は、寮生も大学側も同じです。目指す方向は同じなのに、大学側は責任ある自治という言葉を繰り返し、補修を含めた寮生の提案について協議を打ち切り、ついには司法に解決を託しました。双方のすれ違いを埋めるために必要なのは、訴訟ではなく、話し合いではないでしょうか。 「世界最高水準の大学を育成するため」として、2004年から全国の国立大学は法人化されました。それまで国の内部組織だった国立大学を独立させることで、学校の自主性を拡げ、それぞれの大学が自由に運営ができるようにするためでした。 しかし実際は、経営面が重視されるようになったことで大学は”効率”を求められ、学生への管理を強めざるを得なくなっているような気がします。 大学は、吉田寮の寮生たちが実践するような、自ら考え行動する習慣を身につける場所です。学校側の管理が強くなり過ぎると、そんな学生たちの大事な萌芽を摘み取ってしまうことになるのではないでしょうか。