<U-20W杯>V候補ウルグアイに完敗した日本に足りなかったモノ
日本にとって救いなのは、選手たち自身が決して善戦したとは思っていないことだ。 「(ウルグアイは)そんなに取りに来ることはなくて、狙うところだけ狙って、っていう形だったので、自分たちがボールを持たされている部分があった」と振り返ったのは、左サイドハーフとして先発した三好康児だ。 ボランチで先発した市丸瑞希も「前半は特にボールを持たされていたというか、真ん中をやられなければオーケーという雰囲気があったし、後半は相手も1点取っていたし、オーケーみたいな。カウンターで取れるだろうっていう雰囲気を感じていた」と、ウルグアイが余力を残しながら戦っていたことを感じ取っていた。 負傷のために、ターゲットマンである小川航基を前半20分で失ったとはいえ、ウルグアイと比べれば、日本の攻撃はあまりに正攻法で、ウルグアイにとって守りやすかったに違いない。 久保建英や堂安律が絡んだショートパスによるコンビネーションからの崩しが多く、リズムやテンポ、展開に変化や緩急があまりない。普段は遊び心のあるプレーが得意な堂安でさえ、意外性のあるプレーを披露する余裕はなかった。 「こっちはビハインドだったので、攻めるしかなかった。もしリードしていたら、あのようなうまいゲーム運びをしないといけないと感じましたね」と堂安は振り返る。 技術、戦術以上に、ウルグアイの大人顔負けのゲーム運びを肌で感じられたのは大きな収穫と言っていい。 吸収力が高いのもこの年代の大きな特徴だ。イタリアもしたたかさ、駆け引きではウルグアイに劣らない曲者ではあるが、それを上回る嫌らしいゲーム運びを披露して、決勝トーナメント進出を決めたい。 (文責・飯尾篤史/スポーツライター)