24歳・1児のママトレーニーがスクワットで作り上げた美しい曲線 競技歴2年目で全国大会のビキニフィットネス優勝
12月21日(土)と22日(日)、東京都の品川インターシティホールにて開催された「ゴールドジムジャパンカップ2024」(以下、ジャパンカップ)。ジャパンカップはボディコンテストの登竜門とも言われるマッスルゲートの全国大会とも言える大会だ。エントリー数は少なかったものの、坂本羽衣音(さかもと・はいね/24)さんは今大会のビキニフィットネス35歳未満163㎝超級で優勝。競技歴2年目、そしてビキニフィットネスに挑戦した2024年はドラマチックな競技の1年だったという。 【写真】坂本羽衣音さんが作り上げた曲線美
坂本さんは熊本県でピラティスやパーソナルトレーニングを提供しているフィットネストレーナーで、4歳の娘がいるママという一面もある。しかし最初からトレーナーだったわけではない。産後ダイエットでボディメイクを始め、通っていたフィットネスジムで競技者と出会い、大会へ誘われたのが競技・トレーナー業の始まりだった。 「面白そうやなぁ」と好奇心に駆られ、2023年からマッスルゲートに出場。初心者でも出やすい、ウーマンズレギンス・ウーマンズレギンスフィットネスの2カテゴリーに挑戦した。2023年には早くもジャパンカップへの出場権を手にし、結果は両カテゴリーとも3位。「自分の身体はどっちでもないのかもしれない」と、2024年はビキニフィットネスへステージアップし、トレーナーにもなった。坂本さんいわく、「自分のレベルアップを図るならビキニ一択でしたし、憧れでもあった」という。 初戦は6月に行われたマッスルゲート熊本大会。優勝にあと一歩及ばず、惜しくも2位という結果を受けて坂本さんは10月開催の別府大会に申し込んだ。 「私の場合、上半身の脂肪が先に落ちて下半身の脂肪が落ちにくいんです……。6月の熊本大会ではそれが目立ち、どうやったら下半身の脂肪が落ちるんだ!と悩みました。加えてハムストリングとお尻も弱いとフィードバックをいただいたので、下半身をもうちょっと頑張ってみよう、と別府大会にエントリーしたんです」 熊本大会から別府大会までおよそ3カ月、下半身の強化と減量のためトレーニングに励んだ。「スクワットでハムケツが使えるようになれば、脚が変わると思う」とフィードバックで言われたことで、今までほとんどしてこなかったスクワットを行うように。そこからスクワットにハマってしまったのだとか。 「スクワットはほとんどしたことがありませんでしたが、70kgを10回挙げることができて(笑)。意外と自分は重さを持てるんだ!と思って、ハマっちゃいました。結果、熊本大会より別府大会の方が引き締まった感じにはなりましたが、思った以上に下半身に筋肉がついて上半身と下半身のバランスが悪くなったように感じました。ビキニ用のボディメイクって本当に難しいな、とそのときに感じましたね」 バランスが悪かった、と坂本さんは自己評価したものの別府大会では優勝を飾り、12月のジャパンカップへ。別府大会からジャパンカップまでの約2カ月間は、下半身の筋量に負けないよう上半身のトレーニングに励んだのだという。大会出場の数カ月ごとに改善を重ねた努力は身を結び、身体もバランス良くパワーアップ。集大成となるジャパンカップでも優勝を飾り、有終の美を終えた。 「私が出場したカテゴリーは人数が少なくて少し寂しかったのですが、金メダルを手にできたことは素直にうれしいです!2024年でマッスルゲートは卒業して、2025年からはJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)の大会に挑戦したい。自分のステップアップを考えるとJBBF一択ですね」 フィットネス競技という“沼”にハマった坂本さん。JBBFデビューの日は、もう、すぐそこだ。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】 マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材・文:小笠拡子 撮影:FITNESS LOVE編集部