日本一秘話!DeNA・三浦大輔監督、愛弟子・森敬斗との絆 来季は〝横浜優勝〟からの連続日本一だ!
DeNAが3日に達成した日本一の背景には、期待の裏返しといえる指揮官の叱咤(しった)があった。就任4年目で頂点に導いた三浦大輔監督(50)は、5年目の森敬斗内野手(22)を厳しくも愛のある起用で育成。2020年に神奈川・桐蔭学園高からドラフト1位で入団した大器は期待に応え、1998年以来26年ぶり3度目の栄冠の原動力となった。三浦監督は歓喜の日本一から一夜明けた4日までに、今季成し遂げられなかったリーグ優勝と、連続日本一を誓った。 【写真】森敬斗に話しかけるDeNA・三浦監督 歓喜の残り香が消えない。26年ぶりの日本一から一夜明けてなお、余韻は続いた。三浦監督は「レギュラーシーズンは3位という悔しい結果に終わった。来季は優勝して、もう一度この舞台に立って日本一になれるように」と決意を新たにした。 日本シリーズでは牧、桑原、筒香らがチームを引っ張ったのはもちろん、若手の存在なくして頂には立てなかった。勝つたびに成長の跡を示したのが、5年目で自己最多の71試合に出場した森敬だった。 「ああいうことをしているようじゃ駄目ですよね」 普段は温厚な指揮官が森敬を突き放したのは、3月5日のロッテとのオープン戦(横浜)だった。試合参加のため2軍から合流した初日。安打の直後にけん制死を喫し、走塁でアウトカウントを間違えるミスも犯した。アピールに失敗し、開幕1軍のメンバー入りを逃した。 シーズンに入っても、三浦監督の言葉は厳しかった。1点差で競り負けた8月1日の広島戦(マツダ)。遊撃の森敬は三回2死満塁でゴロをさばいた後の送球の判断に迷い、先取点に絡む野選に。四回で代打を告げた三浦監督は「ああいうプレーをしていては試合に出られない」と苦言を呈した。 三浦監督が2軍を指揮した2020年にドラフト1位で入団した森敬は、次代を担う有望株として期待をかけられてきた。類まれな脚力と肩力を兼ね備えながらプレーに粗さが目立ち、打力にも向上の余地があった。指揮官の叱咤(しった)は期待の裏返し。森敬自身も「しっかりやらないと」と受け止めてきた。 早出でバットを振り込み、試合前練習では石井チーフ打撃兼走塁コーチと幾通りものティー打撃で基礎固め。進塁打や軽打が求められる場面でも柔軟に対応するためのスイングの軌道を体に覚え込ませてきた。