宇宙の解明はどこまで進んでいるのか...現代物理学が到達した「革命的な仮説」
私たちの宇宙の将来
人類の古代から続く宇宙への探究は、16~17世紀に太陽系モデルを手に入れた後も加速し続け、今では物理学の発展を基に、私たちの宇宙の始まり、またその誕生以前の世界をも議論できるようになってきました。私たちの宇宙は約138億年前に生まれ、私たちの太陽はその中で約46億年前に私たちの天の川銀河の中に生まれた恒星です。 では、私たちの住むこの宇宙の未来はどうなっていくのでしょうか? まず、現在の銀河の速度等の観測から、私たちの銀河系は約40億年後にはアンドロメダ銀河と衝突、合体をして一つの大きな銀河になることがわかっています。また、近傍の他の小さな銀河もこの巨大な銀河にのみ込まれます。しかし、銀河の中の恒星同士の距離は非常に離れているので、この際に恒星同士が衝突することはまずありません。そのため私たちの太陽はこの銀河間の衝突を乗りきると思われますが、それでも今から50億年ほどもすれば燃え尽きて、白色矮星と呼ばれる小さな天体になってしまいます。 一方、私たちの銀河系から十分離れたところにある銀河は巨大銀河に吸収されることなく、宇宙が加速膨張を続けることによりどんどん遠ざかっていくと考えられます。そしてある時点(今から数百億年ほど)で、それら全ての遠ざかる速さが光速を超えることになり、永遠に視界から消えてしまいます。つまり、今から数百億年以降にこの巨大銀河の中に発生した文明が宇宙を観測したとしたら、自分たちが住んでいる銀河以外には何もないという宇宙を見出すはずです。 そして、このはるか後、およそ10²²億年後、この巨大銀河も重力により太陽質量の10¹⁵倍程度の巨大なブラックホールへ崩壊してしまいます(このブラックホールはその巨大な質量を反映して、半径300光年程度とかなり大きいものです)。そしてこれより先、宇宙にはこのブラックホールがのみ込めるものは何もなくなるため、ブラックホールはホーキング放射を通してゆっくりと蒸発していくことになります。