ファミリア:神戸を中心に熱烈に支持される、ベビー・キッズ用品のパイオニア
兵庫県神戸市に本社を構える株式会社ファミリアは、ベビー・キッズ用品のブランドとして確固たる地位を築いている。全国展開されているが、特に関西圏には熱烈なファンが多く、神戸市内では電車や街中でファミリアのデニムバッグを持っている人をよく見かける。 「全国展開しているブランドで、ここまで地域色があるのは珍しいのでは」と同社の佐々木さんは話す。今回は、ファミリアのあゆみや特に関西圏にファンが多い理由、近年の取り組みなどについて、話を伺った。
手芸が得意な4人のママ友で立ち上げたベンチャー企業
ー創業の経緯を教えてください。 弊社は、1950年に4人のママ友が創業しました。戦後で非常に物資が乏しく、“いかに生活を成り立たせるか”が重要視されていたなかで、未来の担い手となる“子ども”にフォーカスして事業をスタートさせました。 創業者である坂野惇子(ばんのあつこ)とその同級生の3人は、手芸が得意だったそうです。もともとは豊かな暮らしをしており豊富な物資を持っていたことから、手元に残っていたものを使って商品作りを始めました。 最初は神戸三宮センター街の『モトヤ靴店』にある陳列ケース2台を借りて販売していたのですが、口コミで評判が広がったのを機に起業へ。“温かい家庭的な雰囲気を大切にしたい”という想いを込めて、『ファミリア』と名付けられました。 弊社は70年以上の歴史があるのでコンサバティブなイメージを持たれることも多いのですが、創業当初から欧米の新しい育児法に取り組んだり、いろいろなチャレンジをしたりとベンチャーマインドが根付いています。
ーベビー・キッズ用品のパイオニアとして、いろいろな発明をされてきましたよね。 代表的な取り組みは、あかちゃんの肌を刺激しないよう縫い目をすべて外側にしたことと、肌着として使用されていた白いTシャツをアウトウェアとして提案したことです。
創業当時、Tシャツの形をした子ども服は肌着しかありませんでした。そこで、「子どもが1枚で着ても可愛らしい、日常に寄り添った服を作ろう」と、くまちゃんのプリントをTシャツの前後に付ける『おはなしTシャツ』が誕生しました。