[名良橋晃]J2ウォッチャー名良橋晃が選出する2024ベストイレブン
マテウス・ジェズス(長崎)は規格外 得点王の小森(千葉)は圧倒的
中盤は4人。守備的MFがユーリ・ララ(横浜FC)、秋野央樹(長崎)。右サイドのワイドに山根永遠(横浜FC)、左サイドに山原怜音(清水)です。 ユーリ・ララは守備ではボールを刈り取り、攻撃では積極的にゴール前に入っていくプレイが目を引きました。5得点2アシストとゴールに絡む仕事ができていました。ボックストゥボックスのタイプで、井上潮音との連携も抜群でした。2023年のJIでは26試合3得点でしたが、来季はこれを越える成績が期待されます。 アンカーのポジションで長崎の心臓となっていた秋野央樹は、正確なパスで強烈な“個性”を持つ攻撃陣をうまく操っていました。左利きであり、ボールを持つと雰囲気があって存在感がありました。ほぼフルで試合出場しており、下平隆宏監督にとって代えが効かない選手だったと思います。 山根永遠は走力&スピードがあり、右サイドの“ヤリ”として目覚ましい活躍をみせました。横浜FCは右の山根永遠、左の中野嘉大が攻撃のときは非対称でゴール前に入っていくスタイルでした。3得点7アシストとゴールに絡んでおり、自信を得たと思います。山根永遠にとって充実したシーズンだったに違いありません。 清水でSBを務める山原怜音はウイングバックで選出しました。キックの質が高く、攻撃を組み立てることができます。まだまだ伸びしろがあると感じます。経験を積んだなか、再挑戦となるJ1でどれだけのクオリティを出せるか注目しています。 FWは3人でシャドーに乾貴士(清水)、マテウス・ジェズス(長崎)。1トップに小森飛絢(千葉)です。 乾貴士はプレイにバリエーションがあり、ボールを持つと「なにかしてくれる」というワクワク感がありました。技術力の高さはもちろん、チームを引っ張る姿勢も溢れ出ていました。誰とプレイしてもうまくやってくれる頼もしさもありましたね。経験を生かして味方の良さを存分に引き出していました。 マテウス・ジェズスはとにかく“規格外”でした。インサイドハーフでも前線でも献身的にプレイし、抜群の存在感がありました。Jリーグでは収まりきらないスケールの大きさがありますが、もっとJリーグで見たいです。個人的には、J1で見たいです。長崎は必死に引き止めると思いますが、去就が気になるところです。 小森飛絢は圧倒的な力を示しました。シュートの技術が高く、バックヒールでのゴールなど引き出しの多さにも驚きました。去年より今年と、確実に成長しています。もう、すごいの一言しかないです。結果を出したことで、自信が確信に変わりもっと上のカテゴリーでやりたいでしょう。日本代表を目指してください。もっとビッグな選手、名前のごとく日本のヒーロー、いえ世界のヒーローになってください。 構成/飯塚健司 ※ザ・ワールド2025年1月号、12月15日配信の記事より転載
構成/ザ・ワールド編集部