尾を引く新監督問題…辛子明太子「ふくや」のスポンサー撤退でJ1福岡に激震…「契約満了であり引退ではございません」の意味深メッセージ
スポンサー側から契約満了を表明するのは異例の事態となる。ふくやはふさわしい企業が現れればユニフォームの袖スポンサーを譲る、とするスタンスを示していたが、スポンサー契約そのものも終了するのはよほどの事情があるとみていい。タイミング的にも、今月13日の金監督の就任発表が大きく関係しているとみていいだろう。 福岡では5年間にわたって指揮を執り、J1昇格から定着へ導くとともに、先述したルヴァンカップ制覇ももたらした長谷部茂利監督(53、川崎フロンターレ新監督)が今シーズン限りで退任。後任としてサガン鳥栖監督時代にパワハラ歴のあるFC町田ゼルビアの前ヘッドコーチ、金氏の名前があがったのが11月上旬だった。 直後に福岡最大のサポーター団体、ウルトラオブリが緊急声明で監督人事の白紙撤回を要求。鳥栖U-18監督時代に当時の高校生も暴言や暴力行為の対象になった点も含めて、福岡が基本理念として掲げる「子ども達に夢と感動を 地域に誇りと活力を」にそぐわないとしてSNS上で大騒動に発展した。 これに対して福岡側は沈黙を貫き、1カ月あまりがたった今月13日に正式発表。同16日の記者会見では川森敬史会長(59)が、金監督を招聘した理由をこう説明した。 「私どもの基本理念は決して変わることはございません。今回も、当然これからもそれを軸に経営をさせていただきます。そのなかで金監督自身が過去をしっかりと反省し、努力を重ねてきております。過去の間違いを乗り越える過程もまた、子どもたちにとって大切な学びや刺激になると信じております」 金監督の就任発表前から進められてきた、新戦力の補強を含めた来シーズンへのチーム編成が順調に進んでいるなかで唐突に発表された、かつて福岡を消滅の危機から救った主要スポンサーの撤退。福岡もクラブ公式Xですぐに反応している。 「これまでクラブを心強く支えていただきました、ふくや様のご支援に心より感謝申し上げます。これからも夢のつづきを共に歩んでいただけるよう、基本理念を軸に取り組んでまいります」 一連の状況を受けて、SNS上にはふくやを支持するコメントがあふれている。 「クラブの一部の人間の間違った判断が招いた悲しい結果」 「今回の件で ガバナンスが効いているのは“ふくや”」 「身命を賭しての諫言かな。社会的モラルを欠き、パワハラを容認するチームフロントよりもアビスパ愛にあふれた行動だと思う」 「これは相当だな。ハラスメントについてはアビスパだけでなくJリーグ全体がもう一度考え直した方がいいよ」 「ふくやが居なけりゃとっくに博多の街からサッカー文化は廃れてたと思う」 年の瀬に再び激震に見舞われた福岡は年明け早々の1月6日に福岡市内で、金監督および新加入選手、川森会長以下フロントが出席する新体制発表会を開催する。