新築分譲マンションで進むEV充電設備の標準化。大京が一歩先行く設置状況を発表
すべての駐車区画に個別の充電コンセント設置も
2024年1月30日、ライオンズマンションでおなじみの大手マンションデベロッパー大京は、同社が手掛ける最新6物件のEV充電器設置状況を発表した。物件によっては駐車区画数の100%に個別のEV充電コンセントが設置され、駐車時間をそのまま充電時間に充てることが可能となる。EV充電施設の有無が分譲マンションの資産価値に影響を与えるとも言われる昨今、大京の取り組みは同業他社にも大きな影響を与えつつあるようだ。 【写真】充電器が設置される最新6物件のリストなどを見る 大京は2010年より、開発する分譲マンションで駐車区画数の10%にEV充電コンセントを標準設置する計画を進めてきた。さらに2022年5月には、業界初の取り組みとして、充電器の設置率を50%に引き上げるとともに、残りの駐車区画には将来的にEV充電コンセントの増設が可能な空配管を設置することを決定している。 同業他社の物件でも、とくに都市部を中心にEV充電コンセントの設置が始まっているが、現状では限られた充電設備を分け合うシェア型が多い。今回大京が発表した6物件の中には駐車場収容台数の100%に実装されているところもあり、そちらは基礎充電充足率100%となる。 各区画での駐車時間をそのまま充電時間にあてることができるので、順番待ちや車両の移動が不要だ。ちなみに経済産業省が発表している「充電インフラ整備促進に向けた指針」では、2030年までに集合住宅でのEV/PHEVユーザーの10%以上が自宅充電できることを目標に掲げている。大京の取り組みはそれを大きく上回っていることになる。
専用アプリで料金公平化と管理業務軽減を実現
大京の分譲マンションに設置される充電器は、電気自動車充電サービス大手のユビ電が提供する「WeCharge」によって運営される。設備は住民の共用だが、充電にかかる電気代はあくまで利用者負担だ。 専用アプリを通じて充電操作が可能であり、複数台のEV充電を統合してIoTプラットフォームから制御できるスマート充電機能を有している。これにより、深夜電力など電気代が安い時間帯を自律的に選んで充電するサービスを始めデマンドレスポンスプログラムまたは時間帯別の価格制度に参加する機能が順次追加されるという。 アップデートはIoTプラットフォーム側で行われるため、追加工事は不要だ。また、利用料金はWeChargeアプリを通じて利用者に請求されるので住民の不公平感もなく、管理組合や管理会社の集金業務の軽減にもつながる。