松本若菜さん・松村北斗さんポスター撮りで「完全再現!」漫画家が語る「自作漫画の実写化」への思い
キャラを愛して動かしたいし、話を作っていきたい
渡辺 『西園寺さんは家事をしない』は、ストーリーラインもそうですけど、とにかく風通しがいい「陽」な感じがいいんですよね。そして登場人物が自立しているので、話が込み入ってきてもゴチャゴチャしないのがすごい。 ひうら そう、もめ事が起こらないんですよ(笑)。みんないい人になっちゃって事件が起こりづらい。 渡辺 ひうらさんが陽なのはもともとですか? ひうら 実は私、エグい話とか大好きなんですけど、自分で描こうと思うと典型的なキャラにしかならなくて面白くならないんですよ。なのでもう諦めて明るい話にしようと思って。 渡辺 そうなんですね。本当にゴタゴタ、ジメジメがないんですよね、ひうらさんの作品って。 ひうら 連載が長くなるとライバルキャラも出てくるんですが、結果的にいい人になっちゃう。ツッコミ役がいない。 渡辺 そこが安心できるところなんでしょうね。恋敵も意地悪になるのかな~と思いきや、すごくいい感じで大好きになっちゃう(笑)。それをやろうと思ってやられているんじゃなくて、多分そういうふうに出来上がっていくんだろうなと。 ひうら キャラを愛して動かしたいし話を作っていきたいので、どうしても「この子にも何かいいところがあるはず」と思っちゃうんですよね。結局、人間を信じたいのだと思います。 渡辺 人間を信じたい。いいですね。それがひうらさんの作品の強みでもあるんでしょうね。
家族ってチームだな
『1122』のいちことおとやは、性的に問題はあれど強い絆で結ばれたいい夫婦に思えるし、『西園寺さんは家事をしない』の西園寺さんと楠見父娘は、自分たちを「偽家族」と称しながらも互いを思いやって暮らす素敵な家族に見える。あらためておふたりが考える「家族」とは? ひうら うちは娘が中学3年生になって、すごくチーム感が出てきました。たとえば今日も、私と夫は東京に来ていて、夕方彼女も電車で来るんですが、「来る時にゴミ捨てといてね」とか「植木に水やっといて」とか、いろいろ頼めて助かっています。 渡辺 もう自宅で一人でお留守番できるんですか? ひうら そうですね。夫の実家が近いので、親が不在の時は泊まりに行ったりしています。あと家事の分担ができるようになってきたことで皆で家を成り立たせている感じがして、「家族ってチームだな」という気がしています。 渡辺 チーム、いいですね。私もその答えにします! (笑) ひうら あははは(笑)。 渡辺 私の娘は小学3年生で、まだちょっと戦力としては弱いんですね。でも「ここは自分が住む家である」という意識を持って、家事を分担して受け持ってくれるようになってすごく助かります。 ひうら そうよね。 渡辺 さっきひうらさんが「成り立たせる」とおっしゃいましたけど、本当に家事って家を成り立たせるための仕事ですよね。それだけに皆がやらなくてはならないことであり、自分のためにもやることだと思うんですね。もちろん経験値の差とか得意・不得意はあるにしていも、それらを加味して分担して、皆で維持していくことが重要なのかなと思いました。 ひうら 本当にそうだと思います。