不動産会社の女性経営者が教える! 入居後困らないために知っておくべき「NG行動と防犯対策」
物件探しは、後悔せずに賢く選びたいですよね。今回は、20代~30代の女性が集まるanan総研メンバー約200名に「賃貸物件に住んでからわかった、困ったこと、怖かったこと」をテーマにアンケートを実施。女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに、アンケート結果を基に「物件選びの際に知っておくべきNG行動、防犯対策のコツ」について教えてもらいました。 【保存版】家を知られてしまうケースも!? 「防犯面でのNG行動チェックリスト」はコチラ。
不動産会社の女性経営者が教える! 「入居後に困らないために知っておくべきNG行動と防犯対策」
【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.70 ――今回、女性約200人が所属するanan総研メンバーに「ひとり暮らしをしていて、困ってしまった経験はありますか?」とアンケートを実施したところ、 「家のポストやドアポストを覗かれていた。防犯カメラで気づくことができた」(30歳・会社員) 「オフィスと窓が向かい合っている部屋に住んでいたので、出入りをするときに向かいの人と目が合うのが不安だった」(29歳・会社員) 「電車内で声をかけてきた男性が家までつけてきた。夜中にインターホンを連打されてこわかったです」(31歳・専門職) 「ストーカーに2~3回あったことがある」(33歳・会社員) ――など、防犯面で困った経験がある人が多いことがわかりました。覗きやストーカー被害にあわないために、入居前後にできる対策はありますか? プロの意見を教えてください! 平出さん 物件を決める前に、治安がいい街かどうかは調べておくといいです。防犯設備や管理人の有無であれば賃貸物件サイトに載っていることがほとんどですし、インターネットで「○○(住みたい駅) 治安」と検索すれば、手軽に詳しい情報を知ることもできます。また、警視庁や東京都のサイトでは、女性への声掛け事案や空き巣被害が起きているエリアなどの治安情報を調べることができるので確認しておくとより安心です。 ――ストーカー被害にあってしまいやすいなど、防犯対策において「やらない方がいいNG行動」はありますか? NG1.「夜の歩きスマホ」 平出さん 夜道にスマホを見ながらゆっくり歩いたり、音楽を聴きながら帰宅することは絶対にやめてください。スマホに気を取られて痴漢にあったというケースは珍しくありません。駅から遠い物件を選ぶ場合、街灯や人通りがあるかどうかなど駅から家までの環境も確認しておきましょう。 NG2.「SNSに自宅や自宅周辺を投稿する」 平出さん Xやインスタグラムなど、SNSを愛用しているかたも多いと思いますが、SNSにアップする内容や場所で、家を知られてしまうケースは珍しくありませんので注意しましょう。 NG3.「洗濯物を外に干す」 平出さん 洗濯物を外に干してしまうと、女性が住んでいることが分かってしまう可能性が高まります。どうしても外に干したいかたは、男性用の下着を一緒に干すなど工夫を。 NG4.「女性が住んでいるとわかってしまうカーテンを選ぶ」 平出さん ピンク色や花柄など、いかにも女性が住んでいると分かるカーテンはおすすめできません。1階に住む場合は特に、女性が住んでいると分からないようにするなど、注意してカーテンを選んでください。 NG5.「家賃が安いからと、防犯設備が全くない物件を選ぶ」 平出さん TVモニター付きインターホンやオートロックなど、防犯設備が全くない物件は選ばないようにしましょう。録画機能がついているインターホンがあれば、万が一何か起きた際、録画映像をもとに捜査ができるため証拠になります。 ――ほかにも女性たちが「住んだ後に困ったこと」のなかには…、 「"点検です"と来る人が本当かどうか分からずいつも困っていた」(31歳・会社員) 「オートロックではないアパートだったので、帰宅してすぐに、訪問が来た時は近くで待機していたのかなと、とても怖かった」(34歳・自営業) 「配達員さんやセールスマンがオートロックを通さずに直接ドアをたたいたり、ベルを鳴らしてきたこと」(33歳・無職)) ――など、“来客者が来ることで不安な思いをした”という人も多数。不安な思いをしないために知っておくべき対策はありますか? 平出さん マンション内の設備点検は、管理会社から事前に告知がある場合がほとんどです。もし、何も告知がなく訪問があった場合には、室内に人を入れる前に管理会社に確認するようにしてください。インターネット契約や宗教の勧誘に困ったという話もお客様から聞きます。オートロックがついていればマンション内に入れるのは基本的に入居者のみです。モニター付きインターホンがある物件であれば、事前に顔を確認し、かつ簡単にドアを開けないようにしてください。 ――また、賃貸物件の"物理的な環境面"で住んだ後に困ってしまった経験がある人も多数いるようです。 「部屋の壁が薄くて隣の人のいびきが聞こえてきた。踏切が近くて遮断機の音が気になってしょうがなかった。始発の時間にいつも目が覚めて辛かったです」(33歳・会社員) 「地震がおきた時、部屋がボロすぎて壁の軋む音がこわかった」(27歳・会社員) 「大通りに面したマンションだったため、洗濯物を外に干すことができなかった」(31歳・会社員) ――"物理的な環境面"において困らないために、住む前にしておくべきことはありますか? 平出さん 住んだ後になってデメリットに気づいて後悔したというお話はお客様から聞くことも多いですね。 部屋の防音性については、 ・木造ではなく鉄筋コンクリート造を選ぶ ・窓が二重サッシや複層ガラスになっているか確認 ・内見時にスマホから音楽をかけて外から聞こえるか確認 などの方法があります。 地震が不安なかたは、 1981年から施工されている新耐震基準で選びましょう。 この日付以降の賃貸物件であれば、より耐震性が強化されていることになります。 内見前に周辺環境を地図などで確認し、内見後は周辺を歩いてみることも大切。昼間と夜間、平日と休日では街の雰囲気が変わることも多いので、時間を変えてチェックしておくとより安心です。部屋の中だけではなく、周りの環境をよく確認してから物件を選ぶようにしてください。 快適なひとり暮らしを始めるために知っておこう 物件探しは賢く丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。 教えてくれた人 株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん 宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。 東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。 文・市岡彩香 anan web、anan Beauty+を中心に執筆するフリーライター。これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。インタビューライター、フードライターとして活動中。 ©nagoro/Adobe
市岡彩香