「メキシコ湾を『アメリカ湾』に」トランプ氏“野心むき出し”会見、各国へ圧力 日本には?【Nスタ解説】
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アメリカのトランプ次期大統領が記者会見を開きました。軍事力と経済力による「脅し」ともとれる発言で、「領土拡大」への野心をむき出しにしています。 【画像で見る】“野心むき出し”トランプ次期大統領の会見 ■トランプ氏 領土拡大へ“野心むき出し” 熊崎風斗キャスター: 就任まであと12日となったトランプ次期大統領について詳しくお伝えします。 トランプ氏は日本時間の8日朝に記者会見を行いましたが、野心むき出しの内容でした。 会見では、「デンマーク自治領グリーンランドの領有や、中米・パナマ運河の返還に関して、軍事的・経済的圧力をかけないとは確約できない。経済・安全保障のために必要だと言うことはできる」と話し、軍事力の行使も排除しない、非常に強い姿勢を示しました。 早稲田大学の中林美恵子教授は「グリーンランドの領有は“アメリカファースト”や経済拡大以外にも、資源の調達や北極圏のルートの確保を狙う一面もあるのではないか。さらに中国やロシアへの牽制など、様々な意味が込められているのではないか」と話しています。 アメリカの隣国のメキシコについて、トランプ氏は、巨額な貿易赤字をもたらすと指摘をした上で、「メキシコ湾からアメリカ湾に名前を変える」と非常に強い言葉を話しました。そして、カナダに対しては「アメリカの51番目の州となるべきだ」と、関税など経済的な圧力の姿勢も示しました。ですから、隣国にも非常に強い圧力を示しました。中林教授は「まずはメキシコ・カナダの移民問題など、国内支持者の関心が高い事から着手していくのではないか」と話しています。 ホラン千秋キャスター: 就任を前にして刺激的で挑発的な発言が相次いでいますが、実際に実行するのかは、世の中の反応を見てからなのか、実際にやりたいと思っているのか、どう見ていますか。 早稲田大学教授 中林美恵子さん: これがトランプ氏の最も難しいところです。トランプ研究者だったとしても、強がりで、冗談で言ってることなのか、本気でそれをやろうとしているのかがどうしても読めないというのが特徴です。 ただ、彼が言い出すことによってスポットライトが当たるという効果は確実にあります。例えば、グリーンランドやパナマ運河の話など、今までそれほど大きなスポットライトが当たらなかった部分が、戦略的に重要なところだったりするんです。 トランプ氏は全てがテーブルの上にオプションとしてあると考えるタイプで、状況対応型の方なので、その時々の様々な条件をきちんと計算しようという気持ちではいるんだろうと思います。