厚底になり、クッション性&反発性がアップ ! アシックス「マジックスピード4」はどう進化した?
アシックスの「METASPEED(メタスピード)」シリーズの機能とデザインを引き継ぎつつ、より多くのランナーが活用できる厚底カーボンシューズとして登場した「MAGIC SPEED(マジックスピード)」。カーボンプレート搭載シューズに初挑戦するランナー、レースで自己ベストの更新を目指すランナーを中心に高い人気を誇っている。 シリーズ最新作「マジックスピード4」は前作よりも厚底となり、クッション性を強化。さらに、前足部には軽量高反発素材、FF TURBO(エフエフ ターボ)を内蔵。蹴り出し時の反発性を追求したという。一体、どんなシューズに進化したのだろうか。
踵部の厚さは43.5mm。クッション性が大きく向上
「マジックスピードは、初めてカーボンプレートを搭載したシューズを履くランナー、レースで自己記録更新を狙うランナーをメインのターゲットにしたシューズです。このレベルのランナーがフルマラソンを走る場合、3時間、4時間という時間走り続けることになります。 今回のアップデートでは、より快適性を高めて、レースの最後までランナーを後押しできるシューズを目指しました」と、商品担当のアシックスジャパンの金田淳志さんは言う。 大きなアップデートポイントのひとつがソールのボリュームアップ。前作はスタックハイト(ソール厚)が踵部36mmで前足部29mm、ドロップ(踵部と前足部の高低差)は7mmだったが、今作では踵部43.5mmで前足部35.5mm、ドロップは8mmになった。 アスリートがレースで着用するシューズは、世界陸連の規定によって、ソールの厚さは40mm以下と制限されているが、「マジックスピード4」はその制限を超えた厚さが採用されていることになる。つまり、アスリート向けではなく、市民ランナーをいかに快適にゴールまで導くかを目的として設計されたということなのだ。
反発性も向上し、より滑らかな重心移動が可能に
ミッドソールの素材は、トップ(プレートの上側)、ボトム(プレートの下側)ともに、FF BLAST PLUS(エフエフ ブラスト プラス)を採用。この点は前作と変わらないが、今作では前足部のプレート下部に、軽量で反発性に優れたFF TURBO(エフエフ ターボ)を内蔵している。 「近年のトレンドでもあるのですが、世界中のランナーからクッショニングの高さをシューズに求める声があり、より快適さを感じてもらうためにミッドソールの厚さを増すことになりました。また、前足部、プレートの下部に反発性に優れた素材を内蔵することで、前作以上に前へ前へと進んでいく感覚が得られるかと思います」 カーボンプレートは、反発性を備えたフォーム素材を面で押し込むことで大きなエネルギーリターンを得る役割を果たしているが、同時に安定性を高めることにも貢献している。 近年、ミッドソールに採用されているフォーム素材は進化が著しく、より軽く、より柔らかくなっている。その柔らかい素材を大ボリュームで搭載すれば、クッション性や反発性は高まるものの、安定性は損なわれる。そこに、硬さがあり捻れにくいプレートを搭載することによって、安定性を補っているのだ。 そのカーボンプレート。傾斜や硬度は前作同様だが、今作では踵部が二股に分かれる構造となった。そうすることで、着地時にプレートが適度にしなり、着地衝撃を緩衝してくれるという。