口座を長期間使用しないと残高から手数料を引かれる?「未利用口座管理手数料」とは?
近年、多くの銀行、信託銀行などの金融機関で「未利用口座管理手数料」と呼ばれる手数料が導入されています。これは、長期間取引がない口座から、口座維持管理にかかる費用として徴収されるものです。 放置したままでは、知らないうちに残高が手数料で消滅してしまう可能性もあります。そこで本記事では、未利用口座管理手数料について詳しく解説します。 ▼タンス預金していた現金を銀行に預ける場合、「税金」の支払いは発生するの?
一定期間取引がない口座には手数料が発生する
一定期間取引がない口座には、未利用口座管理手数料と呼ばれる手数料が発生します。 例えば、三菱UFJ銀行では、2021年7月1日以降に開設して、2年以上未利用の普通預金口座については、不正口座の作成・利用の防止や口座の維持・管理に係る費用の一部に充当するための手数料として年間1320円(税込み)を引き落とすとしています。 口座が未利用となった場合、郵送やEメールなどの方法により事前に通知されます。通知が来てもそのまま放置していると、未利用口座管理手数料が適用され手数料が引き落とされてしまうので注意しましょう。なお、口座の残高が1320円に満たない場合は、全額引き落としのうえ、口座は解約されます。 ◆銀行の未利用口座管理手数料 金融機関によって異なりますが、いくつかの銀行の未利用口座管理手数料をご紹介します。
各銀行の公式サイトを基に筆者作成 口座残高、その他の条件によっては、未利用口座の対象にはならない場合もあります。これらの手数料は、口座を一定期間以上利用しない場合に発生するため、口座を定期的に利用することで、このような手数料は避けられます。
10年放置で休眠口座
10年以上取引のない預金は、過去のデータによれば、毎年約1200億円も発生しています。 こうした未利用のお金を社会に貢献させるために、「休眠預金等活用法(正式名称「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」)」が2016年12月に国会で成立し、2018年1月から施行されています。 この法律により、10年間取引がない預金は「休眠預金」とされ、2019年1月以降に発生している休眠預金は民間の公益活動支援に充てられるようになりました。 対象となるのは銀行の普通預金・定期預金、郵便局(ゆうちょ銀行)の通常貯金・定期貯金・定額貯金、信用金庫の普通預金・定期積金などです。外貨預金や仕組預金、財形貯蓄などはこの対象には含まれません。 ◆休眠口座になっても預金引き出しは可能 10年取引がなく休眠口座になった後でも、取引のあった金融機関で引き出すことが可能です。預金を引き出すのに期限はありません。いつでも引き出しが可能です。 ただし、一度休眠口座の扱いになってしまうと窓口での通常の引き出しや、キャッシュカードを利用したATMでの取引は行えなくなるため注意が必要です。預金を引き出すためには、金融機関の窓口へ通帳・取引印・本人確認書類を持参し、口座の復活手続きを行う必要があります。 通帳を紛失している場合であっても、本人確認書類(身分証明書)を持参すれば、引き出すことができます。また、故人の休眠口座の預金であれば、相続人が引き出し可能です。 具体的な手続き方法や必要な書類は、金融機関により異なるため、詳細については各金融機関に直接お問い合わせください。