夏物好調で各社増収、ユニクロは1年半ぶりの増加率2割超え
国内アパレル関連大手各社が2024年8月度の既存店売上高を発表した。ファーストリテイリングの国内ユニクロ事業やユナイテッドアローズ、良品計画など多くの企業では、高気温によって夏物商品の実需が高まり、前年同月比で増収となった。
ファーストリテイリングの国内ユニクロでは、ブラトップやエアリズムインナーなどの夏物定番商品のほか、カウズ(KAWS)、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)とのコラボレーションTシャツや、長場雄がディズニー作品を描いた「マジック フォー オール ウィズ 長場雄コレクション」などの新商品が動き、前年同月比25.3%の大幅増。売り上げの増加率が20%を超えたのは2023年2月以来で、今年4月から5ヶ月連続で前年同月の実績を超えた。9月には、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)手掛ける「ユニクロ : シー(UNIQLO : C)」から新作コレクションが登場。ユニクロ担当者は「ユニクロ : シーは、9月のメイン商材になる。初のメンズアイテムも登場し話題性も十分なので期待したい」と話す。 ユナイテッドアローズでは、夏物衣料や新作秋物衣料のプロパー販売が好調に推移。売上高は前年同月比14.7%で、5ヶ月連続の2ケタ伸長となった。月末の台風の影響により、九州地区を中心とした34店舗が1~2日の臨時休業を余儀なくされたが、休日が前年よりも1日多かったことや、ネット通販の好調が継続していることがマイナスをカバーしたという。 良品計画は、売上高で前年同月比12.8%増と2ケタ増を記録し、7ヶ月連続で前年実績超え。衣類・雑貨カテゴリーでは、「涼感UVカットワイド半袖Tシャツ」や通気性に優れた「風を通すシリーズ」、リーボックと共同開発した「コートスニーカー」が人気だった。生活雑貨カテゴリーでは、ハンディファンなどの暑さ対策グッズのほか、8月に発売した新商品「寝返りを受け止めるまくら」が好調だった。 ワークマンでも、ワーク、カジュアルともに夏物衣料が売り上げをけん引し、前年同月比8.0%増。アームカバーといった暑さ対策グッズのほか、降雨量が多かったためにレインウェアや防水シューズなどが数字を伸ばした。 ■2024年8月度 各社実績(すべて既存店ベース/前年同月比) 国内ユニクロ事業(既存店+Eコマース) 売上高:125.3% 客数:118.4% 客単価:105.8% しまむら 売上高:105.5% 客数:102.3% 客単価:103.3% 良品計画(直営既存店+オンラインストア) 売上高:112.8% 客数:106.9% 客単価:105.5% アダストリア 売上高:105.7% 客数:102.9% 客単価:102.8% ユナイテッドアローズ(小売+ネット通販 既存店) 売上高:114.7% 客数:109.1% 客単価:104.1% ワークマン 売上高:108.0% 客数:104.3% 客単価:103.6% バロックジャパンリミテッド 売上高:101.3% 客数:96.1% 客単価:105.1% ワールド 売上高:102.3% 客数:非公開 客単価:非公開 オンワードHD 売上高:108.0% 客数:非公開 客単価:非公開